フランスの暴動被害賠償法案に批判噴出、平和的なデモ参加者も責任追及の恐れ
マクロン政権は近年でも深刻な部類に入る社会不安や各地での略奪、放火、破壊行為を受け、被害者の救済と治安回復を急いでいる。
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フランス政府が抗議デモや集会に伴う暴動で発生した損害について、暴徒に賠償責任を負わせる法案を推進し、人権団体や弁護士らから批判が相次いでいる。法案は器物損壊などを行った本人だけでなく、暴力が発生した集団に故意に加わっていたと判断された人にも、最大1万ユーロの賠償を求める内容だ。反対派は直接関与していない平和的なデモ参加者まで処罰されかねず、憲法上の原則や抗議する権利を脅かすと訴えている。
マクロン政権は近年でも深刻な部類に入る社会不安や各地での略奪、放火、破壊行為を受け、被害者の救済と治安回復を急いでいる。10月17日には、生活費高騰や燃料価格への不満を背景とする抗議デモの一部が暴徒化し、多くの商店が被害を受けた。企業や小売業者は略奪や器物損壊に加え、店舗の休業や窓の防護措置による損失も訴えている。
一方、反対派は、法案が集団責任の範囲を広く定めている点を問題視する。パリの弁護士ハンナ・ブシャレブ(Hanna Bouchareb)氏は、暴力に関与していない多数の参加者が、現場近くにいたという理由などで責任を問われる可能性を指摘し、デモの権利を損なうと批判した。労働組合も個人の行為に基づいて責任を判断する原則に反するとして、法案の撤回を求めている。
法案には、賠償金が支払われない場合、受給者本人の社会保障給付や、未成年者の場合には親の給付を差し押さえられる規定も盛り込まれた。これに対し、政府は個人の責任を否定するものではなく、損害への共同責任を定める措置だと説明する。ヌニェス(Laurent Nuñez)内相は27日、個人責任の原則を損なうとの批判に反論した。
法案は今週、上院で審議される。治安維持と被害者救済を優先する政府に対し、反対派は表現の自由と平和的集会の権利が萎縮する危険性を警告しており、公共の秩序と市民の自由をどう両立させるかが焦点となっている。
