スペイン・セウタ移民危機、自治政府が未成年者の受け入れに苦慮、中央政府に支援要請
セウタでは7月末から約1週間で7万2000人余りの移民がモロッコ側から流入した。
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北アフリカに位置するスペイン領セウタ自治政府は5日、隣国モロッコからの大規模な移民流入を受け、保護者のいない未成年者約1100人をスペイン本土に移送するよう中央政府に要請した。施設の収容能力を大幅に超える状況が続き、自治政府は「地方だけでは対応できない人道危機」として全国的な支援を求めている。
セウタでは7月末から約1週間で7万2000人余りの移民がモロッコ側から流入した。大半はその後モロッコに戻るか送還されたが、スペイン法や国際法では保護者のいない未成年者を直ちに送還することは認められておらず、多くの子どもたちがセウタにとどまっている。保護施設は定員を超えて過密状態となり、一部は倉庫などの仮設施設で寝泊まりしている。
現地では行政だけでなく、住民や慈善団体も食料や衣類の提供、子どもの生活支援に当たっている。しかし、受け入れ体制は限界に近づいており、自治政府は未成年者を本土の各自治州で分散して保護する必要があると訴えている。
スペインの法律では、受け入れ能力を超えた地域から他地域へ未成年者を移送する仕組みが定められているものの、身元確認などの手続きに時間を要し、移送は思うように進んでいない。
サンチェス政権はセウタへの支援として2500万ユーロの追加予算を拠出するとともに、各自治州に未成年者の受け入れ協力を要請している。一方で、保守系野党・国民党(PP)や極右政党ボックス(VOX)は受け入れ拡大に慎重な姿勢を示しており、移民政策を巡る政治的対立が深まっている。
今回の大量流入では少なくとも75人が死亡したとされ、スペインと欧州連合(EU)は人道対応と国境管理の両立という難題に直面した。セウタは欧州とアフリカを結ぶ玄関口で、今回の事態はEU全体の移民政策や加盟国間の負担分担の在り方を改めて問いかけるものとなっている。
