SHARE:

バーナム英首相、EUとの新協定に意欲、11月首脳会議へ、ブレグジット論争が再燃

2016年の国民投票では、離脱が52%、残留が48%となり、英国社会を二分する結果となった。
イギリス、ロンドン市内、EUへの再加入を求めるデモ(ロイター通信)

イギリスのバーナム(Andy Burnham)首相は12日、欧州連合(EU)との貿易関係を改善する新たな協定の締結を目指す考えを議会で表明した。11月20日に予定される英EU首脳会議で、食品規格の調和、排出量取引制度の連携、若者の相互交流促進などを協議し、経済成長につなげる方針だ。さらに、EUとの長期的な関係についても選択肢を検討すべきだと訴え、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる議論が再び活発化している。

バーナム氏は議会で、現状維持では英国の利益を十分に確保できないと強調。経済成長の促進、不法移民の抑制、国家の価値観と安全保障の維持を実現するためにも、EUとの関係を見直す議論が必要だと訴えた。2016年の国民投票ではEU残留を支持した同氏は、離脱後の英国が期待された利益を得られていないとの認識を示し、長期的な関係を冷静に再検討するよう呼びかけた。

首脳会議は11月20日に開催される予定で、スターマー(Keir Starmer)前首相の辞任を受けて延期されていた。バーナム氏は今回の会議について、貿易上の障壁を減らし、英国企業の競争力を高める機会と位置づける。食品や飲料の取引に関する規制の調整、双方の排出量取引制度の連携、若者が相手国で生活・就労・就学できる制度などが主要議題となる見通しだ。

一方、EUとの関係強化をめぐっては、国内政治で意見が分かれている。最大野党・保守党はEU再加盟によって英国の問題が解決すると考えるのは安易だと批判した。これに対し、自由民主党はEUに復帰すべきとの立場を示している。

2016年の国民投票では、離脱が52%、残留が48%となり、英国社会を二分する結果となった。バーナム氏は将来の関係について、最終的に判断するのは国民だと強調する。世論調査ではEU再加盟への支持が高まった傾向がみられる一方、EU予算への拠出や共通通貨ユーロの採用を伴う場合には支持が低下する傾向もある。

今回の提案は、単なる貿易協定の見直しにとどまらず、ブレグジット後の英国の進路を改めて問うものとなる。政府が11月の首脳会議で具体的な合意を実現できるかに加え、EUとの長期的な関係をめぐる議論が国内政治にどのような影響を与えるかが焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ