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AI学習データへのアクセス規制強化、ドイツ経済に年1550億ユーロの損失、ifo経済研究所が試算

欧州連合(EU)では、著作権保護とAI開発の促進をどう両立させるかが課題となっている。
AIデータセンターのイメージ(Getty Images)

ドイツのifo経済研究所は13日、人工知能(AI)の学習データへのアクセス規制が強化された場合、ドイツ経済が年間1550億ユーロ(約27.4兆円)の付加価値創出機会を失う可能性があるとの試算を発表した。

生成AIは2034年までにドイツ経済に年間4400億ユーロの追加的な付加価値をもたらすと見込まれるが、データ利用の制限によって、その潜在的な経済効果が大幅に縮小する恐れがあるという。

試算はifo研究所とコンサルティング会社インプルメント・コンサルティング・グループの分析に基づく。規制強化による損失の内訳は、AIの普及遅延が450億ユーロ、性能の低いAIモデルの開発が750億ユーロ、研究活動の縮小が250億ユーロ、欧州域内でのAI開発の減少が100億ユーロとなる。合計1550億ユーロは、規制がなかった場合に期待される追加的な付加価値の3分の1超に相当する。

生成AIの性能向上には、多様で質の高い学習データを大量に確保することが不可欠だ。研究機関は、欧州で利用可能な最大規模の著作権フリーデータセットが2兆~3兆トークンにとどまる一方、主要な国際的AIモデルはすでに15兆~36兆トークンのデータを利用していると指摘した。

ifo研究所は、欧州を代表するAIモデルの開発を目指すのであれば、学習データへのアクセスを不必要に複雑化すべきではないとの見解を示した。ドイツのAI企業アレフ・アルファも、データ利用への過度な制約や法的な不確実性は、競争力のあるAIの開発を困難にすると述べた。

欧州連合(EU)では、著作権保護とAI開発の促進をどう両立させるかが課題となっている。EU著作権規定には、文章やデータを分析するための例外規定があり、商業目的の利用にも適用されてきた。研究の執筆者らは、この規定を維持しつつ、透明性の確保や権利者が利用を拒否するための実効的な仕組みを整えるよう提言した。

また、企業が保有する膨大な産業データを十分に活用できていない現状も課題として挙げられた。欧州が米国や中国に対抗できるAI産業を育成するには、権利保護に配慮しながら、データ利用に関する明確で予測可能なルールを整備する必要がある。

今回の試算は将来の損失を確定的に予測したものではなく、規制のあり方によって変化し得る経済効果を示したものである。

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