オルバン政権下で廃刊したハンガリー有力紙「ネープサバチャーグ」、10年ぶりにオンラインで復活
同紙は1956年、ソ連の支配に対するハンガリー動乱の時期に創刊された。
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ハンガリーでかつて最大発行部数を誇った左派系日刊紙ネープサバチャーグ(Nepszabadsag、人民の自由)が8日、オンラインニュースサイトと週刊誌として復活した。同紙はオルバン前政権下で2016年に突然廃刊となっており、今回の再始動は同国のメディアの多様性と報道の独立性をめぐる議論に新たな焦点を当てている。
同紙は1956年、ソ連の支配に対するハンガリー動乱の時期に創刊された。2016年の廃刊時、当時の所有者であるメディアワークスは経営上の損失を理由に挙げたが、記者らはオルバン政権に批判的な報道が廃刊の背景にあったと主張していた。
新編集長のアーコシュ・トート(Tóth Ákos)氏はロイター通信の取材に対し、ハンガリーの独立系報道には、意見を先行させるだけでなく、事実に基づいて問いを投げかける伝統的なジャーナリズムへの回帰が必要だと語った。
新たな運営にはハンガリー人実業家4人が出資し、スタッフ約90人の体制でスタートする。従業員の多くは旧ネープサバチャーグや、2026年5月に紙媒体の発行を終了した左派系紙の元職員で構成される。
今回の復活の背景には、オルバン(Viktor Orbán)前首相が2026年4月の総選挙で敗北し、政治情勢が大きく変化したことがある。同氏の政権下では国営メディアへの政府の影響力が強まり、複数の民間メディアが閉鎖されたり、政府に近い経営者の傘下に入ったりした。一方、オルバン氏はメディアへの圧力を否定し、ハンガリーは欧州連合(EU)の報道の自由に関する基準を満たしていると主張していた。
ただし、新たな報道機関の経営環境は厳しい。オルバン政権下では政府広告が政治的な同盟関係にあるメディアへ流れ、市場の競争条件がゆがめられたとの指摘がある。独立系メディアの広告収入は十分に回復しておらず、企業も政治報道より娯楽コンテンツへの広告出稿を好む傾向にある。
出資者は少なくとも2年間の運営資金を確保し、広告と購読料による収支均衡を目指す。ネープサバチャーグの復活がハンガリーの報道の多様性を回復させるかどうかは、編集の独立性を維持しながら、持続可能な収益基盤を築けるかにかかっている。
