◎テイト容疑者と弟は昨年末、人身売買に関与した疑いで逮捕された。
2023年1月10日/ルーマニア、首都ブカレストの裁判所前、SNSインフルエンサーのアンドリュー・テイト容疑者(中央)(ロイター通信)

ルーマニアの裁判所は20日、女性軽視発言で物議を醸しているSNSインフルエンサー、アンドリュー・テイト(Andrew Tate)容疑者の起訴前勾留期間を2月27日まで延長した。

テイト容疑者と弟は昨年末、人身売買に関与した疑いで逮捕された。

首都ブカレストの高裁は今月10日、地裁が昨年末に出した勾留期間を24時間から1月30日に延長する決定を支持。さらに、地検による不動産や高級車の差し押さえに対するテイト兄弟の異議申し立てを棄却した。

テイト兄弟は検察を非難し、容疑を丸ごと否定している。

しかし、捜査当局はテイト兄弟のグループに性的搾取されたとされる女性6人を特定したと伝えられている。当局によると、グループは女性たちに好意を示して誘い出し、暴力・脅迫・監視下に置き、ポルノ制作を強要したという

AP通信は以前、この事件に詳しい関係者の話を引用し、「地検が押収した資産(不動産・高級車)と人身売買のつながりを立証できれば、テイト兄弟の資産は被害者への補償などに充てられる可能性がある」と報じていた。

地検は捜査の詳細を明らかにしていないが、これまでに高級車10数台を押収また10軒以上の不動産やテイト兄弟の会社が所有する土地も押収したとされる。

テイト容疑者は数百万のフォロワーを持つインフルエンサーだが、差別的な発言でティックトック、インスタ、フェイスブック、ユーチューブアカウントを失っている。

ツイッターアカウントは昨年11月に復活し、テイト容疑者の弁護士が積極的に運用している。

テイト容疑者は5年前にブカレストに移住し、先月末に家宅捜索を受け、逮捕された。

テイト兄弟の弁護士は20日、勾留延長を非難し、「検察は証拠を見つけられず、焦っているようだ」と主張している。

地元メディアによると、高裁が勾留延長を認めた理由は後日示されるという。

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