ブラジル2026年政府支出、GDP比19%まで低下見通し
ルラ政権は10月の総選挙を控え、景気や所得を下支えする政策を進めているが、財政悪化への懸念も強まっている。
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ブラジル財務省は29日、2026年の政府支出が国内総生産(GDP)比で約19%まで低下するとの見通しを示した。一方で、5月までの過去12カ月間では政府支出がGDP比19.6%に達しており、年後半には歳出の伸びが鈍化することで比率は低下するとの見方を示している。ルラ政権は10月の総選挙を控え、景気や所得を下支えする政策を進めているが、財政悪化への懸念も強まっている。
財務次官は記者会見で、現在の歳出拡大は一時的な要因によるもので、下半期には支出の伸びが落ち着くとの認識を示した。特に年初から増加した年金関連支出については、未処理となっていた受給申請の処理を進めたことや支払い時期のずれが影響したと説明し、同様の増加ペースが続く可能性は低いと述べた。
同時に公表された財政統計によると、5月の基礎的財政収支は532億5700万レアル(1.66兆円)の赤字となり、前年同月から26.3%拡大した。歳出は前年同月比9.4%増となった一方、税収を中心とする歳入の増加率は5.5%にとどまり、支出の伸びが収入を上回った。過去12カ月間の基礎的財政赤字は1423億レアルとなり、GDP比では1.06%に達した。これは政府が掲げるGDP比0.25%の基礎的財政黒字目標とは大きく乖離している。
ルラ政権は低所得者支援や社会保障の拡充、公共投資の拡大などを通じて景気を下支えしてきた。しかし、選挙を前にした景気刺激策の拡大はインフレ圧力を高めるとの見方も根強い。市場では財政規律の緩みが物価上昇や金利動向に与える影響を警戒する声が広がっており、政府の財政運営に対する注目が高まっている。
ブラジルでは足元でインフレ率が中央銀行の目標レンジを上回る状況が続いているものの、中銀は景気への配慮から段階的な利下げを実施している。ただ、市場では政府による財政拡張が金融政策の効果を弱めるとの見方もあり、財政政策と金融政策の整合性が課題となっている。
政府は年後半に歳出比率が低下するとして財政健全化への姿勢を強調しているが、選挙を控えた追加支出の可能性も指摘されている。景気の下支えと財政規律の維持をいかに両立させるかが、ルラ政権の経済運営における重要な課題となっている。
