エルサルバドル大統領、3期目の出馬に向け与党の公認目指す
ブケレ氏は2019年に初当選、2024年に再選を果たし、立候補が実現すれば3期連続で政権を担う可能性が高まる。
.jpg)
中米エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領は29日、2027年に実施予定の大統領選挙に向け、与党・新思想党(NI)の公認候補に立候補するための登録を行った。憲法改正により大統領の連続再選に関する制限が撤廃されたことを受け、3期目を目指す動きが本格化した。ブケレ氏は2019年に初当選、2024年に再選を果たし、立候補が実現すれば3期連続で政権を担う可能性が高まる。
与党党首でブケレ氏のいとこでもあるシャビ・サブラ(Xavier Eduardo Zablah Bukele)氏は、ブケレ氏と副大統領が党内予備選への登録を完了したと明らかにし、「われわれは準備ができている」とX(旧ツイッター)で表明した。党内予備選は7月12日に実施される予定だが、現時点で有力な対抗馬はおらず、ブケレ氏が公認候補に選ばれる可能性が高いとみられている。
今回の立候補は、与党が議会で進めた憲法改正を背景としている。昨年成立した改正では、大統領の任期が5年から6年に延長されるとともに、これまで憲法で定められていた再選制限が撤廃され、連続・無制限での立候補が可能となった。また、ブケレ氏の現任期は2029年までだったが、選挙日程を統一するため任期が短縮され、次回大統領選は2027年2月に前倒しで実施されることになった。新たな任期は同年6月から始まる予定である。
ブケレ政権は非常事態宣言の下で大規模な犯罪組織対策を推進し、殺人事件の発生件数を大幅に減少させたとして国内で高い支持率を維持している。一方で、数万人規模の容疑者拘束や長期拘禁、人権侵害の疑いなどを巡り、国際的な人権団体や欧米諸国からは民主主義や法の支配の後退を懸念する声も上がっている。さらに、最高裁判所の構成変更や憲法改正を通じて権力基盤を強化してきたことから、権力の集中が進んでいるとの批判も根強い。
ブケレ氏は昨年末、「あと10年政権を担うことも考えられる」と発言し、今回の立候補表明は長期政権への意欲を改めて示した形となった。来年の大統領選では圧倒的な支持率を背景に優位な戦いが予想される一方、憲法改正による無制限再選が民主主義の制度的均衡に与える影響は、国内外で引き続き論点となりそうだ。
