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ポーランドのアフガン移民が危機に直面、亡命申請の停止措置続く


問題となっているのは、ベラルーシ経由で不法入国した人々に対し、国際的保護の申請を一時的に認めないとする制度である。
ポーランドのベラルーシ国境ライン(AP通信)

ポーランドに滞在するアフガニスタン移民の間で強制送還への不安が高まっている。背景にはポーランド政府が導入した亡命申請の停止措置があり、多くの移民が法的保護を受けられない状態に置かれている。この措置は2025年に導入され、その後も延長が繰り返されている。

問題となっているのは、ベラルーシ経由で不法入国した人々に対し、国際的保護の申請を一時的に認めないとする制度である。本来は国境地帯に限定された措置であったが、実際には国内全域で適用されている。その結果、多くのアフガン人が個別審査を受ける機会を与えられず、送還の危険にさらされている。

移民の多くは旧アフガン政府や欧米軍に関係していた経歴を持つとされる。ある若い男性は父親がタリバンに殺害され、自身も拘束や暴行を受けた経験を語り、安全を求めて何度も亡命を試みたと訴えている。しかし現在はポーランド東部の収容施設に拘束され、将来的にタリバン暫定政権統治下の母国へ送還される可能性に強い恐怖を抱いている。

人権団体や法曹関係者はこの措置が国際法に抵触する可能性を指摘している。難民の地位に関する条約、いわゆるジュネーブ条約では、亡命希望者一人ひとりの事情を審査する義務が定められている。ところが現状では、国境を越えた経路だけを理由に一律に申請が拒まれるケースが多く、こうした原則が守られていないと批判されている。

さらに、欧州評議会の人権担当者は亡命申請の機会が与えられないままアフガン人が送還された事例に懸念を示している。欧州連合(EU)の国境管理機関も適切な手続きが行われていないとして、送還業務への関与を見合わせたケースがある。

ポーランド政府はベラルーシとの国境で続く移民流入を安全保障上の脅威と位置づけている。2021年以降、ロシアの同盟国であるベラルーシが移民をEU側へ誘導しているとの見方が広がり、同国はこれを「ハイブリッド攻撃」として警戒を強めてきた。そのため、国境管理の強化や亡命手続きの制限は必要な措置だと主張している。

しかし、こうした政策は人道上の問題を深刻化させている。ベラルーシ経由で入国するアフガン人は多く、事実上このルートを通る限り亡命申請ができない状況となっている。現在も多数のアフガン人が施設に収容され、法的地位が不安定なまま生活を強いられている。

専門家は国境管理と人権保護のバランスが問われていると指摘する。安全保障上の懸念がある一方で、迫害の恐れがある人々を適切に保護する義務は国際社会の基本原則である。亡命制度の停止が長期化すれば、保護を必要とする人々が救済されないまま排除される恐れがある。

ポーランドの措置は欧州全体の移民政策の方向性にも影響を与えかねない。移民流入への対応が厳格化する中で、人道と安全保障の両立という課題は一層重みを増している。アフガン移民の不安はこうした政策の矛盾を象徴するものとなっている。

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