◎事件は南西部の都市タイズで21日に発生したとされる。タイズのWFP事務所長に就任した男性職員がイエメンに到着してまもなく、武装勢力に射殺された。
イエメン、首都サヌア、シーア派武装勢力フーシの少年兵(Getty Images)

イエメン警察は22日、世界食糧計画(WFP)の職員を殺害したとされる容疑者2人を逮捕した。

地元メディアによると、警察はこの殺害計画に関与したとされる別の10人も合わせて拘束したという。

事件は南西部の都市タイズで21日に発生したとされる。タイズのWFP事務所長に就任した男性職員がイエメンに到着してまもなく、武装勢力に射殺された。

タイズ警察は事件の詳細を公表していない。容疑者2人が武装勢力とつながりがあるかどうかも不明である。

WFPは21日の声明で、「同僚の死にショックを受けている」と述べ、「人道支援活動に当たる職員への攻撃は受け入れがたい」と断じた。

国連の支持を受けるイエメン政府のサイード(Maeen Abdulmalik Saeed)首相はWFP事務局長との電話会談で、「事件に関与したテロリストをひとり残らず捕らえる」と約束した。

同国南部では武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が活動を活発化させている。このテロ組織は国際テロ組織アルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。

首都サヌアを含む同国の大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシもWFP職員への攻撃を強く非難している。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。

フーシ派の猛攻を受けた中央政府はサウジ主導の連合軍の支援を受け、反撃を開始。フーシ派はイランの支援を受けており、内戦はサウジとイランの代理戦争に発展した。

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