イエメン・フーシ派、サウジアラビアの空港と石油施設を攻撃
フーシ派は今回の攻撃について、サウジ側によるイエメンへの軍事的圧力への対抗措置との立場を示している。
.jpg)
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は20日、サウジアラビア南部ナジュランにある空港と国営サウジアラムコの施設をドローンで攻撃したと発表した。フーシ派の報道官によると、攻撃は2回にわたり、ナジュラン空港の「重要な標的」と同市のアラムコ施設を狙ったという。具体的な被害状況は明らかにしておらず、サウジ当局からも攻撃を確認したとの発表は出ていない。
フーシ派は今回の攻撃について、サウジ側によるイエメンへの軍事的圧力への対抗措置との立場を示している。両者の対立は2015年にサウジ主導の連合軍がイエメン内戦に介入したことで本格化した。その後、2022年の停戦を経て緊張が緩和された時期もあったが、2026年に入りイラン情勢の悪化を背景に再び攻撃の応酬が激しくなっている。
フーシ派は7月以降、サウジ国内の石油関連施設への攻撃を繰り返している。7月には東部の原油輸送網や紅海沿岸のアラムコ施設を攻撃したと主張し、8月9日には南西部ジザンの製油所を攻撃したと発表した。サウジ政府はこの際、製油所で火災が発生したものの鎮火し、負傷者は出なかったとしている。さらに13日にもフーシ派はジザンのアラムコ製油所をドローン2機で攻撃したと主張していた。
今回の攻撃はサウジの石油インフラが再び地域紛争の標的となるリスクを浮き彫りにした。アラムコの施設はサウジ経済の中核であり、石油の生産や輸送に影響が及べば、国内だけでなく世界のエネルギー市場にも波及する可能性がある。2019年にはアラムコの主要施設が攻撃され、サウジの原油生産が一時大幅に落ち込んだ。
フーシ派は紅海でサウジに対する海上封鎖を宣言し、周辺海域の船舶への攻撃も続けている。8月11日には紅海の要衝バブ・エル・マンデブ海峡付近で小型貨物船が攻撃され、乗組員が死亡した。
中東ではイランをめぐる対立が続き、石油供給や海上輸送への懸念が強まっている。フーシ派によるサウジの空港や石油施設への攻撃が今後も続けば、イエメンを軸とした地域紛争がエネルギー市場や国際物流に与える影響が一段と拡大する恐れがある。
