◎9人はサウジアラビアが主導する連合軍のスパイと信じられている。
2021年9月18日/イエメン、首都サナアのタハリール広場、銃殺刑に処された男性を検死する医師とフーシ派の戦闘員たち(ハニ・モハメッド/AP通信)

イエメンの現地メディアによると、シーア派反政府武装勢力フーシは3年以上前のサウジアラビア主導の空爆でフーシ派の高官殺害に関与したとされる男性9人を9月18日に処刑したという。

フーシ派は首都サナアのタハリール広場で9人を銃殺刑に処し、執行完了後の写真を報道機関に配布した。地元メディアによると、広場には子供を含む数百人が集まり、処刑を見学したという。

権利団体と弁護士は9人にかけられた罪を再考するようフーシ派に繰り返し呼びかけていたが、フーシ派の支配下に置かれている裁判所は要求を却下した。

AP通信によると、9人は2018年4月の空爆でフーシ派の高官サレハ・アル・サマドを殺害した容疑者の一部として指名手配されていたという。フーシ派はサウジアラビア、イスラエル、その他のアラブ諸国の高官、そしてアメリカのドナルド・トランプ前大統領も空爆に関与したと非難している。

フーシ派の支援を受ける政治団体で首長を務めていたサレハ・アル・サマドは、沿岸都市ホデイダでサウジ主導の空爆を受け、6人の仲間とともに爆死したと伝えられている。

空爆から数か月後、フーシ派は17歳の少年を含む9人を逮捕した。9人の弁護を担当したアブデル・マジード・サブラ弁護士によると、9人はフーシ派の秘密施設で非人道的な扱いを受けていたという。

銃殺刑の様子はタハリール広場の外れにある大画面モニターでも放送された。

処刑された1人の親戚であるアブデル・ラーマン・ノア氏はAP通信の取材に対し、「当日、9人が死刑されることを知りました」と語った。「フーシは狂っています。これは犯罪です」

別の親戚は、フーシ派は死刑を執行しないと思っていたと述べた。「フーシ派は戦争に関与する国を脅しているだけだと信じていました...」

AP通信によると、9人は水色の囚人服を着用した状態で地面にうつ伏せにされ、フーシ派の戦闘員と思われる男たちがライフルで背中を撃ち抜いたという。

サブラ弁護士は、「フーシ派は9人の遺体を故郷に運び、埋葬することを許可した」と述べた。8人は沿岸都市ホデイダ、1人は首都サナアの墓地に埋葬されたと伝えられている。

アメリカ司法センターを含むいくつかの権利団体は17日、処刑を止めるために国連に介入するよう呼びかけていた。団体の当局者は声明で、「フーシの裁判には重大な欠陥がある」と非難した。

サウジ主導の連合軍は処刑に関するコメントをまだ発表していない。9人は連合軍のスパイと信じられている。

イランの支援を受けるフーシ派は2014年の内戦開始以来、首都サナアと北部地域の大部分を占領し、アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領率いる政府は南部地域への撤退を余儀なくされた。政府軍は連合軍の支援を受けているが、内戦が収束する見通しは全く立っていない。

世界最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦の死亡者数は両軍合わせて13万人を超え、民間人約12,000人が殺害されたと推定されている。

国連は今年、フーシ派の支配下に置かれている地域への水・食料・医療の提供はひどく滞っており、問題を解決できなければ子供を含む民間人1,000万~2,000万人が餓死または栄養失調に関連する病で死亡する可能性があると警告した。

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