イエメン内戦再燃の恐れ、国連が警告「最大の危機」
イエメンでは2014年、フーシ派が首都サヌアを掌握したことをきっかけに内戦が本格化した。

国連は13日、イエメンが2022年に成立した停戦以降、大規模な武力衝突に戻る最大の危機に直面していると警告した。国連のイエメン担当特使グランドバーグ(Hans Grundberg)氏は安全保障理事会で、親イラン武装組織フーシ派とサウジアラビアが支援する国際的に承認されたイエメン政府との間で軍事活動が活発化し、敵対行為が拡大していると報告した。マーリブ、ハドラマウト、モカなどではフーシ派による攻撃が相次ぎ、軍関係者だけでなく民間人にも死傷者が出ている。
イエメンでは2014年、フーシ派が首都サヌアを掌握したことをきっかけに内戦が本格化した。サウジ主導の連合軍が2015年に政府側として軍事介入し、長期にわたる戦闘で30万人を超える死者が出た。2022年4月には国連の仲介による停戦が成立し、大規模な戦闘は大幅に減少した。しかし、正式な和平合意には至らず、国内の分断も続いている。
今回の緊張激化はイエメン国内にとどまらない。フーシ派は紅海やアデン湾を航行する商船への攻撃を再び強めており、イエメン情勢が中東全体を巻き込む紛争に発展する懸念が高まっている。特にイランと米国の対立が続く中、紅海南端の要衝バブ・エル・マンデブ海峡での攻撃が拡大すれば、国際海運やエネルギー供給にも影響する可能性がある。8月11日にはフーシ派による商船攻撃で乗組員4人と救助活動に当たっていたイエメン人2人が死亡した。
国連人道問題調整室のトム・フレッチャー(Tom Fletcher)氏は安保理で、イエメンでは人口の半数以上が深刻な食料不足に直面し、約600万人が飢餓寸前の状態にあると指摘した。
グランドバーグ氏は対話による解決の可能性は残っているとして、すべての紛争当事者に緊張緩和と交渉への復帰を求めた。停戦によって抑えられていた戦闘が再び全面化すれば、すでに深刻な人道危機にあるイエメン情勢は一段と悪化する恐れがある。
