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米国の制裁強化でイラン経済に深刻な打撃、戦争長期化でインフレと貿易縮小

イランは長年にわたり米国の制裁を経験してきたが、今回の戦争と海上封鎖が重なることで、その負担は従来より大きくなっている。
2026年7月30日/イラン、首都テヘランの通り(ロイター通信)

米国とイランの戦争が半年に及ぶなか、イラン経済への影響が深刻化している。米国が制裁を一段と強化し、イランの港湾に対する海上封鎖も続くことで、貿易や石油輸出が圧迫され、国内では高インフレと生活苦が拡大している。イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領は29日、米国の制裁と封鎖によって輸出入が約35%減少したと明らかにした。

特に深刻なのが物価上昇で、2026年7月のインフレ率は66%に達した。食料価格の上昇はさらに激しく、国民の生活を直接圧迫している。最高指導者モジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師もインフレや失業、物価、商品・サービス市場の管理など、経済と生活をめぐる問題への対応を政府に求めている。

米国はイランへの経済圧力を金融面にも広げている。イランと取引する第三国に対しても二次制裁を科す構えを示し、エジプトの銀行や香港の企業、イランの銀行と関係する人物などを制裁リストに追加とした。米政府は中国やインドなど主要なイラン貿易相手国への直接的な制裁は避けているものの、制裁対象となる取引範囲をデジタル資産、金、技術、航空、海運などに拡大している。

一方、イラン政府は経済的苦境を認めながらも、米国への譲歩には動いていない。政府は国内生産への投資、雇用創出、物価安定、ドル依存の段階的縮小などを掲げ、外交と軍事的対抗を並行させる姿勢を示している。6月に一時成立した米国との覚書の下では、イランが約9000万バレルの石油を販売できたとされ、制裁緩和が経済に一定の効果をもたらすことも示された。

さらにイランにとって重要なのが、世界有数のエネルギー輸送路であるホルムズ海峡だ。イランは同海峡を実質的な交渉カードとして利用し、米国との対立が続く限り海上交通をめぐる緊張も続く可能性がある。戦争と制裁による経済危機は、単なる国内の物価問題にとどまらず、石油供給や世界経済にも波及しかねない。

イランは長年にわたり米国の制裁を経験してきたが、今回の戦争と海上封鎖が重なることで、その負担は従来より大きくなっている。今後、経済苦境がさらに深まれば、イラン政府が国内の不満を抑えながら戦争と対米強硬路線を維持できるかが大きな焦点となる。

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