米軍がイラン全域を空爆、過去最大規模、フーシ派の紅海封鎖で混乱拡大
攻撃はカスピ海沿岸地域を含むイラン北部にも及び、米軍による対イラン作戦としてはこの数週間で最大規模となった。
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米軍は24日、イラン南部から北部にかけて広範囲の軍事施設に対する大規模なミサイル攻撃を実施した。トランプ(Donald Trump)米大統領が紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船攻撃に対し「大規模な軍事的報復」を行うと警告していた直後の軍事行動であり、中東情勢は一段と緊迫している。攻撃はカスピ海沿岸地域を含むイラン北部にも及び、米軍による対イラン作戦としてはこの数週間で最大規模となった。
今回の攻撃の背景には、フーシ派がサウジアラビア向け原油輸送を標的とする紅海での海上封鎖を宣言し、紅海とインド洋を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡付近でタンカーへの攻撃を繰り返したことがある。
世界有数の海上輸送ルートが脅かされたことで、多くの船舶がアフリカ南端の喜望峰経由への迂回を余儀なくされ、輸送日数や保険料が上昇した。国際原油価格も1バレル100ドルを超え、エネルギー市場への影響が広がっている。
米軍はイラン海軍施設やミサイル基地、戦略拠点を標的に精密攻撃を実施したとしている。一方、イラン側は複数の死傷者が出たと明らかにし、主権侵害と非難した。これに対しイランはクウェート、バーレーン、ヨルダン、イラクにある米軍関連施設にミサイル・ドローン攻撃を実施したと発表した。ヨルダン政府は飛来したミサイルやドローンの大半を迎撃し、人的被害は確認されていないとしている。
地域全体で報復の連鎖が続いており、米軍は13夜連続でイラン国内への攻撃を実施したと明らかにした。イラク北部アルビルでは米軍基地を狙ったドローン攻撃も発生し、周辺国でも警戒態勢が強化されている。イランは湾岸諸国の住民に対し、米軍が利用する施設や建物に近づかないよう警告し、さらなる攻撃を示唆している。
軍事衝突の拡大は世界経済にも影響を与えている。海上物流の混乱による輸送コストの上昇を受け、一部企業では製品価格の引き上げを余儀なくされるなど、サプライチェーンへの影響が顕在化している。さらに、紅海に加えホルムズ海峡周辺でも航行リスクが高まり、米英両国が国際的な海上安全保障体制の構築に向けた協議を進めている。しかし、外交的打開の兆しは乏しく、中東情勢は軍事・経済の両面で不透明感を強めている。
