米軍、広告追跡機能を無効化、位置情報が紛争地で利用される懸念
専門家は広告IDの無効化を前向きな措置と評価する一方、これだけで追跡を完全に防げるわけではないと警告する。
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米軍が軍関係者の位置情報などを追跡できる広告識別子を、軍用の携帯電話や端末から無効化する措置を進めている。背景には、広告業界が収集し、データ仲介業者(データブローカー)が販売する位置情報が、米軍兵士の追跡や中東での攻撃対象の特定に利用される可能性への懸念がある。
ロイター通信によると、米空軍は民主党のワイデン(Ron Wyden)上院議員に宛てた書簡で、携帯電話やコンピューターの広告識別子を約2カ月前に無効化したと説明した。特殊作戦軍も、Windows端末で同様の措置を最近実施したと明らかにした。
陸軍は携帯端末に関連する広告IDを今年初めから無効化しており、Windows端末については2021年以前から対応していたという。
問題となっているのは「モバイル広告ID(MAID)」と呼ばれる識別子だ。これは端末ごとに割り当てられ、アプリの利用状況を追跡したり、利用者の位置を特定したりするために広告業界で利用されている。収集されたデータはデータブローカーを通じて販売されることがあり、軍関係者が戦地や基地周辺で使用すれば、第三者が部隊の位置や行動を推測できる可能性がある。
今回の対応をめぐっては、ワイデン氏らが以前から国防総省に対策を求めていた。ワイデン氏は軍の取り組みだけでは脅威を十分に無力化できていないとの認識を示している。共和党のハリガン(Patrick Luke Harrigan)下院議員も、米国の敵対勢力が資金を支払うだけで米軍兵士の追跡に役立つ情報を入手できる状況は容認できないと指摘していた。
専門家は広告IDの無効化を前向きな措置と評価する一方、これだけで追跡を完全に防げるわけではないと警告する。アプリや通信ネットワークから得られる技術情報などを組み合わせれば、別の手段で端末や利用者の位置を推測できる可能性があるためだ。
米軍では中東情勢の緊張が続く中、スマートフォンやソーシャルメディアから漏れる情報を敵対勢力が利用するリスクへの警戒も強まっている。
