米軍、20年余りのイラク駐留を終了へ、撤退でイランの影響力拡大に懸念
米国は2003年、フセイン政権を打倒するためイラクに侵攻した。
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米軍は9月30日までにイラクに残る最後の基地から撤退し、2003年のイラク侵攻から20年以上にわたった軍事的関与に大きな区切りをつける。撤退は2024年に米国とイラクが合意したもので、トランプ政権が実行に移す形となった。イラクでは米軍撤退を主権回復と捉える声がある一方、治安面では新たな空白を懸念する見方も出ている。
米国は2003年、フセイン政権を打倒するためイラクに侵攻した。その後、長期にわたる反政府勢力との戦闘を経て2011年にいったん撤退したが、2014年に過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いを支援するため再び部隊を派遣した。20年以上の戦争で米兵約4500人が死亡し、今年7月にも米兵1人が死亡している。
今回の撤退で注目されるのが、イランの影響力だ。イラクは米国とイランの双方と政治・軍事面で関係を維持してきたが、イランとつながる武装勢力は国内で強い政治的、治安上の影響力を持つ。イラクの安全保障専門家は、米軍というイランへの対抗勢力がなくなることで、イランとその同盟勢力が安全保障や政治的意思決定への影響をさらに強める可能性を指摘している。
一方、米軍撤退によってISなど過激派が再び活動を活発化させる可能性も指摘されている。イラクの治安当局者らは、ISの細胞組織が撤退の時期に合わせて攻撃を準備しているとの懸念を示している。ファルージャのスンニ派部族指導者からは、イラクが現時点で安全保障を完全に担う準備が整っていないとの見方も出ている。
米軍撤退後、イラク軍が国内の治安維持を中心的に担うことになる。ただ、米国とイラクの経済・安全保障面での協力は継続する見通しであり、今回の撤退が米国とイラクの関係そのものの終了を意味するわけではない。
今後はイラクが米国との関係を維持しながらイランの影響力や武装勢力、ISの脅威にどう対応するかが焦点となる。
