米大使がヨルダン川西岸を訪問、ユダヤ入植者による暴力への対応を要求
西岸地区では近年、入植者による襲撃や嫌がらせが増加しており、今回の訪問は米国が問題を直接把握し、イスラエル側に対応を求める姿勢を示すものとなった。
.jpg)
米国のハッカビー(Mike Huckabee)駐イスラエル大使は5日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ人の集落を訪問し、ユダヤ人入植者による暴力の被害を受けた住民や、入植者に殺害された米国市民の遺族らと面会した。
西岸地区では近年、入植者による襲撃や嫌がらせが増加しており、今回の訪問は米国が問題を直接把握し、イスラエル側に対応を求める姿勢を示すものとなった。
ロイター通信によると、この集落の住民約3000人のうち8割がパレスチナ系米国人。周辺には複数のユダヤ人入植地が形成されており、住民側は入植者が町に侵入して住宅を破壊するなどの行為を繰り返していると訴えていた。町側は今回の面会で、住民の安全確保と入植者による攻撃への実効的な対応を米国に求めた。
ハッカビー氏は長年イスラエルの入植活動を支持してきた人物だが、暴力的な入植者については刑事告発されるべきとの立場を示している。また、入植者による暴力は約75万人に及ぶ入植者社会全体ではなく、ごく一部によるものと強調している。一方、パレスチナ側からは、加害者が訴追されていないことへの強い不満が出ている。
背景には、ネタニヤフ政権がヨルダン川西岸で入植地の拡大を推進し、入植者による暴力も増加している問題がある。政府は暴力行為を公式には非難しているものの、パレスチナ人を標的とした襲撃事件で入植者が訴追される例はごくわずかとされる。
ヨルダン川西岸の入植地について、国連や多くの国は国際法上違法と位置付けている。一方、イスラエル政府は同地域を「占領地」ではなく「係争地」とする立場を取っている。入植地拡大は、将来のパレスチナ国家樹立を目指す領域の分断を深める要因にもなっている。
今回の訪問で注目されるのは、米国がイスラエルとの同盟関係を維持しながら、入植者による暴力についてどこまで圧力を強められるかという点だ。ハッカビー氏自身が入植支持者であるだけに、今回の訪問が実際の政策やイスラエル側の取り締まり強化につながるかが今後の焦点となる。
