◎同国には推定400万匹の野良犬がいる。イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。
2024年9月1日/トルコ、イスタンブール、政府与党の野良犬管理法に抗議するデモ(AP通信)

トルコ・イスタンブールで1日、先月末成立した「野良犬管理法」に抗議する集会が開かれ、数千人が参加した。

国会は先月、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)が提出した同法案を賛成多数で可決した。

同国には推定400万匹の野良犬がいる。イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。

AKPは野良犬を一網打尽にし、保護施設に収容し、30日以内に引き取り手がない場合は安楽死させることを目指していたが、野党と動物愛護団体がこれに猛反発。AKPは修正案を提出し、野党に理解を求めた。

自治体は野良犬を確保し、保護施設に収容して去勢・避妊手術を受けさせる。病気の犬、狂犬病にかかっていると思われる犬、攻撃的な行動をとる犬は安楽死させることができる。

また自治体は2028年までにドッグシェルターを建設するか、既存のシェルターの状況を改善することが義務づけられる。

エルドアン氏はこの法律が野良犬の問題を解決するとして、国民に理解を求めている。

デモ隊は「シェルターは死の収容所」「血塗られた法律を撤回せよ」などと書かれたポスターを掲げて市内を行進した。

主要野党の共和人民党(CHP)は法案可決後、憲法裁判所に法律の廃止を求めた。この審理は現在も続いている。

すべての野良犬を排除するよう求めている団体「安全な町と生存権を守る会」が公表したレポートによると、2022年以降、少なくとも65人が野良犬に噛まれるなどして死亡したという。

アンカラでは今年初め、子供が野良犬に襲われ重傷を負う事件が発生。政府はこれを受け、この問題に対処すると約束していた。

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