◎NATO加盟を目指すスウェーデンとNATO加盟国のトルコの緊張は西側諸国の懸案事項のひとつになっている。
2023年1月22日/トルコ、イスタンブール、スウェーデンのコーラン焼却デモに抗議するデモ隊(Francisco Seco/AP通信)

トルコの最大都市イスタンブールで22日、スウェーデンの「コーラン焼却デモ」に抗議する集会が開かれ、数百人が参加した。

デモ隊は在スウェーデン領事館前でスウェーデンの国旗を焼き、イスラム教の聖典コーランのコピーを焼いた極右指導者の写真を引き裂いた。

極右政党ハードライン(デンマーク語でStram Kurs)の指導者であるデンマーク系スウェーデン人のパルダン(Rasmus Paludan)氏は21日、ストックホルムの在トルコ大使館前で抗議デモを行い、コーランのコピーを焼いた。

コーラン焼却はイスラム教徒の怒りを煽り、トルコ以外の国も怒りを表明している。

イスタンブールと首都アンカラでは21日午後にも抗議デモが行われ、数百人がコーラン焼却デモの開催を許可したスウェーデン政府を非難した。

22日のデモには「スウェーデン政府公認の差別主義者を非難する」などと書かれた横断幕が掲げられた。

一方、在スウェーデン領事館の窓には「私たちとコーランを燃やすバカを一緒にしないで!」と書かれた紙が掲示された。

NATO加盟を目指すスウェーデンとNATO加盟国のトルコの緊張は西側諸国の懸案事項のひとつになっている。NATO加盟には現加盟30カ国の承認が必要であり、トルコはスウェーデンの加盟申請をまだ批准していない。

トルコ政府関係者はスウェーデンのコーラン焼却デモを非難したが、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はまだこの問題に言及していない。

スウェーデンのクリステルソン(Ulf Kristersson)首相は21日遅く、「スウェーデンは表現の自由を保障するが、神聖な書物を焼き、憎悪を煽る行為は恐ろしく不敬なことであり、すべてのイスラム教に同情を示したい」とツイートし、バルダン氏を非難した。

イスタンブールのデモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「私たちはキリストの人形を焼いたり、聖書を侮辱したりしない」と語った。

アンカラの在スウェーデン大使館前でも2日続けてデモが行われた。地元メディアによると、22日遅くにはさらなるデモが計画されているという。

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