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トルコ最大野党CHPが分裂危機、指導部の対立激化

今回の混乱の発端はアンカラの裁判所が2023年の党大会における投票手続きに不正があったとして、その結果を無効としたことにある。
トルコ、野党・共和人民党(CHP)の支持者(Getty Images)

トルコの最大野党・共和人民党(CHP)で指導部の対立が激化し、指導者がそれぞれ別の会合を開く異例の事態となった。裁判所が2023年の党大会を無効と判断し、オゼル(Özgür Özel)党首の選出を取り消して前党首であるクルチダルオール(Kemal Kılıçdaroğlu)氏を復権させたことを受け、党内の分裂が深まっている。

オゼル氏は9日、議会で行われた党会合に出席し、議員らに対し「党を解体しようとする動きに屈しない」と訴え、法的手段を通じて党の正統性を守る姿勢を強調した。これに対し、クルチダルオール氏は首都アンカラの党本部で別の会合を開き、「党内の不正や汚職を一掃する」と主張した。両者が同日に異なる場所で支持者を集める構図となり、CHPは事実上、二重権力状態に陥った。

今回の混乱の発端はアンカラの裁判所が2023年の党大会における投票手続きに不正があったとして、その結果を無効としたことにある。これにより2024年の地方選で党を躍進させたオゼル氏は失職し、長年党首を務めながら選挙でエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に敗れたクルチダルオール氏が党首に返り咲いた。裁判所の判断は政治的意図を持つものだとしてCHP側は強く反発している。

CHPはトルコ共和国創設以来の伝統を持つ最大野党であり、近年は都市部を中心に支持を拡大してきた。しかし2024年以降、複数の党関係者や市長が汚職疑惑などで拘束されるなど、司法や治安当局による圧力が強まっている。こうした一連の動きは、エルドアン政権による野党弱体化策であるとの批判も出ている。

今回の党内対立は金融市場にも影響を与え、政治的不透明感の高まりから投資家心理が悪化している。トルコリラや株式市場の不安定化も懸念されており、経済への影響が広がる可能性が指摘されている。

また、CHP内部では約140人の議員の大半がオゼル氏支持とされる一方で、司法判断を根拠とするクルチダルオール氏側の正統性を認める勢力も存在し、党内の分裂が深刻化している。今後は法廷闘争に加え、臨時党大会の開催や新党結成の可能性も取り沙汰されている。

次の議会選挙は2028年までに行われる予定、政局次第では前倒しの可能性もあるとみられている。最大野党の機能不全は長期政権を維持するエルドアン氏に有利に働く可能性が高く、政治の均衡が大きく揺らいでいる。今回の「二重会合」はトルコ政治が制度的対立と司法介入の中で不安定化している現状を象徴する出来事となった。

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