ブラジル市場、ルラ大統領再選で急落の見通し、財政規律への懸念から通貨安・株安加速か
選挙戦の第1回投票後、フラビオ氏が優勢との観測が広がり、ブラジル株や通貨レアルは上昇していた。
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ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が10月25日の大統領選決選投票で再選を果たしたことを受け、同国の金融市場では株式、通貨、国債が大幅に下落するとの見方が広がっている。市場関係者は右派候補フラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の勝利を見込んで積み上がっていた投資を巻き戻す動きが強まると予測し、ルラ政権の財政運営に警戒を強めている。
金融機関の予測も厳しい。モルガン・スタンレーは金融市場が財政リスクを再評価すれば、銀行間金利が急上昇し、ドルに対するレアル相場が1ドル=5.50レアル付近まで下落する可能性があると指摘した。歳出削減への具体的な取り組みが示されなければ、1ドル=6.00レアルに達するシナリオも想定している。バークレイズはブラジル国債の信用スプレッドが約3.00%拡大する可能性を指摘。INGも、レアル安と主要株価指数ボベスパの2桁下落を予想した。JPモルガンはブラジル国債の投資判断を「アンダーウエート」に引き下げた。
投資家が懸念するのは、選挙直前に打ち出された財政支出拡大策だ。左派のルラ政権は社会保障給付「ボルサ・ファミリア」の給付額引き上げ、ガソリン関連税の減免、燃料補助金、中小事業者の税債務免除などを進めた。市場では、これらの措置が財政健全化を遅らせ、政府債務の増加につながるとの警戒が強まっている。
ブラジルの公的債務は国内総生産(GDP)の82%を超え、年金など義務的支出の割合も高い。ルラ氏は2027年1月に新たな任期を開始するが、議会では野党勢力の影響力が強く、歳出削減や税制改革を実現するには政治的な妥協が必要となる。市場の安定を取り戻せるかどうかは、次期財務相の人選や2027年度予算、具体的な財政再建策に左右される見通しだ。
