トランプ氏「イランとの合意、期待している」攻撃見送り
トランプ政権はイランの核開発計画の制限と、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の完全な再開を交渉の柱としている。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、新たな対イラン軍事作戦について、「合意が成立する可能性がある限り実施を見送る」と表明し、軍事的圧力を維持しながらも外交による事態打開を優先する姿勢を示した。トランプ政権はイランの核開発計画の制限と、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の完全な再開を交渉の柱としている。
トランプ氏はSNSへの投稿で、米国とイスラエルは必要な軍事能力を維持しているものの、「今は交渉にチャンスを与える時だ」と述べ、合意が短期間でまとまらなければ軍事行動を再開する可能性も排除しなかった。今回の判断はサウジアラビアのサルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)との電話会談や、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相との協議を経て下されたもので、中東の同盟国も外交的解決を支持しているという。
一方、イランは米国の追加攻撃に対して強く反発している。イラン軍高官は、米軍が再び空爆などの軍事行動に踏み切った場合、米国だけでなく、その軍事行動を支援する国々の石油・ガス施設も攻撃対象になる可能性があると警告した。湾岸諸国のエネルギーインフラは世界の原油供給を支える重要拠点であり、攻撃が現実となれば国際エネルギー市場への影響は極めて大きい。
現在もホルムズ海峡では航行への影響が続いている。同海峡は世界の海上原油輸送の2割が通過する要衝であり、紛争の長期化によって原油や液化天然ガス(LNG)の輸送が停滞している。これを受けて国際市場ではエネルギー価格が高止まりし、各国経済に悪影響を与えている。さらに、イランと連携するイエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海とインド洋を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡での活動を活発化させ、中東全体の安全保障が課題となっている。
トランプ政権はクシュナー(Charles Kushner)特使やルビオ(Maro Rubio)国務長官らを中心に交渉を進める方針で、短期間での合意成立に期待を示している。しかし、イラン側は軍事的威嚇を「心理戦」と位置付け、防衛力の強化を継続する姿勢を崩していない。双方の隔たりは依然として大きく、交渉が決裂すれば軍事衝突が再び激化する可能性も否定できない。
外交による緊張緩和が実現するのか、それとも中東情勢が再び危機的局面へ向かうのか、国際社会が交渉の行方を注視している。
