SHARE:

トランプ氏「ガザ平和委員会がハマスの武装解除で合意」イスラエルは慎重姿勢崩さず

ロイター通信によると、エジプトのカイロで米国、カタール、トルコ、エジプトの仲介の下で続けられている協議では、ハマス側が複数の主要項目に前向きな姿勢を示した。
2021年5月22日/パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は30日、パレスチナ・ガザ地区の安定化に向けて設置された「平和委員会(Board of Peace)」が、イスラム組織ハマスの武装解除を柱とする合意に到達したと明らかにした。実現すればガザ紛争の転換点となる可能性があるが、イスラエル政府はなお協定内容に慎重な姿勢を崩していない。

ロイター通信によると、エジプトのカイロで米国、カタール、トルコ、エジプトの仲介の下で続けられている協議では、ハマス側が複数の主要項目に前向きな姿勢を示した。

協議案では、ハマスが保有する重火器を新たなパレスチナ行政機構に段階的に引き渡し、ガザ地区の軍事組織を解体するとともに、治安維持を国際支援の下で再編する構想が盛り込まれている。また、武装解除の進展に合わせて人道支援を拡充し、ガザ復興や新たな文民統治体制の整備を進める内容となっている。

一方、イスラエル政府は現行案について、「ガザの”完全な非武装化”が保証されていない」として受け入れに難色を示している。イスラエルはハマスの軍事能力が完全に排除されることを停戦や復興の前提条件としており、武器引き渡しの方法や検証体制、違反時の対応などを巡ってなお隔たりが残っている。ロイターは協議関係者の話しとして、「イスラエル側の同意を得ることが最終合意に向けた最大の課題」と伝えている。

協議では、ガザ地区の行政権を政治色の薄いパレスチナ人専門家による暫定統治機構に移管し、国際社会が復興資金や治安維持を支援する枠組みも検討されている。ハマスは武装解除に前向きな姿勢を示したとされる一方、武器の引き渡し先はイスラエルではなくパレスチナ側機関とすることや、安全保障上の保証を求めている。また、イランがハマスに対し合意受け入れに慎重な対応を促しているとの情報もあり、交渉の行方は流動的な状況である。

こうした外交努力が続く一方で、ガザ地区ではイスラエルによる攻撃が続いている。30日にもイスラエル軍の空爆により子どもを含む複数人が死亡し、停戦発効後も多数の犠牲者が出ている。軍事衝突が続く中で和平交渉を進める難しさが浮き彫りになっている。

仲介国は早期の最終合意を目指して協議を継続しているが、武装解除の実効性やイスラエル軍の撤退範囲、復興支援の具体的な実施方法など、解決すべき課題はなお多い。ガザの恒久的な和平につながるかどうかは、今後の交渉の進展と紛争当事者の政治的判断に委ねられることになる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします