ホルムズ海峡でタンカーに「吸着機雷」攻撃、機関室で火災、イラン戦争開始後初の成功事例

米国とイランの戦争が2月に始まって以来、同海域で吸着機雷による攻撃が成功したことが確認された初の事例となる。
2026年4月30日/ペルシャ湾に停泊する貨物船(ロイター通信)

中東の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡で10月29日、小型船舶がタンカーに接近し、船体に2個の吸着機雷を取り付ける攻撃が発生した。爆発によって機関室で火災が発生し、船舶は一時航行不能となった。海事当局が30日、明らかにした。

米国とイランの戦争が2月に始まって以来、同海域で吸着機雷による攻撃が成功したことが確認された初の事例となる。

英国海運貿易オペレーション(UKMTO)によると、事件はオマーン北部の北東約46キロの海域で発生した。小型船がタンカーの左舷側に接近し、船体に爆発物を取り付けた。爆発後、機関室から出火したが、乗組員にケガはなく、火災も消し止められた。環境への被害も確認されていない。船舶はその後、航行を再開し、次の寄港地に向かった。

攻撃を受けたのは、パナマ船籍のタンカー「ルイーズ1」。3人の海事当局者が、吸着機雷による攻撃だったと分析している。犯行主体は特定されていない。9月にも同海域で同種の爆発物を使用した攻撃未遂があったが、このときは爆発しなかったという。

ギリシャの海事リスク管理会社マリスクスは、小型船が航行中のタンカーに接近して爆発物を取り付け、離脱できることは重大な安全保障上の脅威だと指摘した。吸着機雷は比較的安価で入手しやすく、高度な軍事技術を必要としないため、攻撃側にとって実行のハードルが低い。

ホルムズ海峡ではイラン戦争が始まって以降、商船やタンカーへの攻撃が相次いでいる。イランは同海峡の通航制限を強め、米国に対する圧力を強化している。今回の攻撃は、ミサイルや無人機だけでなく、小型船による接近攻撃も商船輸送の脅威となることを示した。

世界の原油輸送に不可欠な同海峡の航行安全をめぐり、海運業界の警戒が一段と高まっている。

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