アフガニスタン政変から5年、タリバンが記念式典、深刻な人道危機続く
タリバン暫定政権のハッカニ内相はビデオ演説で、2021年の政権奪取は「士気と勇気、神の助け」によるものだと主張した。
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アフガニスタンを実効支配するイスラム主義組織タリバンは15日、2021年の復権から5年を迎えた。首都カブールでは旧米国大使館前を装甲車が行進し、国旗や横断幕を掲げる記念式典が開かれた。タリバンは米国とその同盟国による「支配からの勝利」を強調し、国内を統治していることをアピールした。一方、国際機関や人道支援団体は、女性や少女への厳しい制限、自然災害、帰還民の増加などによって人道危機が深刻化していると警告している。
タリバン暫定政権のハッカニ(Sirajuddin Haqqani)内相はビデオ演説で、2021年の政権奪取は「士気と勇気、神の助け」によるものだと主張した。その一方で、国内に「問題や課題」が残っていることも認めた。政権発足後、タリバンは治安の回復や統治の安定を成果として掲げてきたが、地方では高官を狙った襲撃や暗殺も相次いでいる。7月末にはバダフシャン州の情報局長が殺害され、過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行を主張した。州都ファイザバードでは8月14日に市長が襲撃を受け死亡したと伝えられている。
最大の問題となっているのが女性の権利だ。タリバンは復権時、1990年代より穏健な統治を行うと約束したが、その約束は早い段階で後退した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)によると、約250万人の女子が中等教育や大学から締め出された。
UNウィメン(国連女性機関)はアフガンの女性の半数が月に1~2回しか自宅を出ていないと報告している。タリバンはシャリア(イスラム法)に基づく女性の権利を尊重していると主張しているが、国際社会からの批判は強い。
外交面では、タリバンは国際的な孤立からの脱却を模索している。タリバンを正式に承認した国はロシアだけだが、中国やイラン、中央アジア諸国などとの関係を深め、欧州諸国ともアフガン難民の送還を巡る協議を進めている。南アジア、中央アジア、中東を結ぶ地理的な位置を生かし、経済協力や投資を呼び込もうとする動きもある。
しかし、人道状況は厳しい。国際救援委員会(IRC)は干ばつや地震、イランとパキスタンからのアフガン人送還を背景に、人道支援を必要とする人が2021年以降で350万人増え、過去最多の水準に達したと警告している。
海外援助が縮小する中、女性や子どもを含む市民の生活は一段と不安定になっている。タリバンが権力を維持するだけでなく、国際的な承認と持続的な経済発展を実現できるかが、今後の大きな課題となる。
