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シリア大統領、クルド系組織の元司令官を大統領顧問に任命

SDFは過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘で米国の主要なパートナーとして活動し、シリア北部と東部の広い地域を支配してきた。
2025年3月10日/シリア、首都ダマスカス、シャラア暫定大統領(右)とSDFのアブディ総司令官(AP通信)

シリアのシャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領は28日、クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の元司令官であるアブディ(Mazloum Abdi)氏を大統領顧問に任命した。長年にわたって対立してきたシリア政府とクルド勢力の関係を大きく転換する人事であり、内戦後の国家統合を進める動きの一環とみられる。

SDFは過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘で米国の主要なパートナーとして活動し、シリア北部と東部の広い地域を支配してきた。SDFはクルド人勢力を中心に構成され、同地域で事実上の自治体制を築いていたため、中央集権的な国家再建を目指すシャラア暫定政権との間には、軍事組織の統合や統治権をめぐる対立が存在していた。

しかし、アサド政権が2024年末に崩壊すると状況は変化した。新政権はSDFが管理していた地域と行政機関を中央政府に統合するよう求め、交渉が進められてきた。今年1月には国軍による軍事作戦が交渉を再び動かすきっかけとなり、その後SDFは解散し、構成員を国防省の指揮下に統合する方針を受け入れた。

アブディ氏はSDFの解散と国軍への統合を発表した際、今回の移行を平和と協力の新たな時代と位置付けた。シャラア氏も旧SDF幹部らを政府や国防分野の重要ポストに取り込むことで、クルド勢力との対立を解消し、国内の統一を強化する狙いがある。

一方、統合には課題も残る。特にSDFに所属していた女性戦闘員を国軍にどのように組み込むかは明確になっておらず、クルド人側にも中央政府への警戒感が残る。SDFの解散とアブディ氏の政権入りは、内戦後の勢力図を大きく変える重要な転換点となる。

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