シリア暫定大統領、イスラエルとの「安全保障協定」模索
両国は国交を結んでおらず、1967年の第3次中東戦争でイスラエルがゴラン高原を占領して以降、この地域は両国最大の懸案となってきた。
暫定大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
シリアのシャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領は26日、イスラエルとの安全保障協定の締結を目指していると明らかにした。
シャラア氏は26日に放送されたカタールの衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューで、敵対関係が続いてきた両国間で、安全保障面での枠組み構築に向けた意欲を示した。
またシャラア氏は複数の国が協議に関与する形で安全保障協定の実現を模索していると説明。その目的は、イスラエルに対しシリアへの対応をより均衡の取れたものとするよう働きかけることにあるとし、「対立や軍事衝突を避けようとしている」と述べた。
さらに、協定は国境地帯の緊張緩和や偶発的な軍事衝突の回避につながるだけでなく、将来的にはより包括的な和平への足掛かりになるとの考えも示した。一方で、イスラエルが占領を続けるゴラン高原に対するシリアの権利を放棄するものではないと強調した。
シリアでは2024年末のアサド政権崩壊後、シャラア暫定政権が発足。イスラエル軍はその後もシリア南部への越境作戦や空爆を継続した。イスラエルは自国の安全保障上の脅威を排除するための措置と主張しているが、シリア側は主権侵害であるとして反発してきた。シャラア氏は軍事的な対立を回避しつつ、外交交渉を通じて国境地帯の安定を図る姿勢を鮮明にしている。
両国は国交を結んでおらず、1967年の第3次中東戦争でイスラエルがゴラン高原を占領して以降、この地域は両国最大の懸案となってきた。1974年には停戦監視のための兵力引き離し協定が結ばれたものの、問題解決には至っていない。
近年はシリア内戦やイラン、親イラン武装組織の活動を背景に、イスラエルによるシリア領内への攻撃が繰り返され、両国関係は緊張した状態が続いてきた。
シャラア氏は今回の発言で、外交努力を通じて安全保障環境を改善し、地域全体の安定につなげたい考えを示した。ただ、ゴラン高原の帰属問題やイスラエル軍のシリア南部での活動など、双方の隔たりは依然として大きい。
安全保障協定に向けた協議が進展するかどうかは、米国をはじめとする関係国の仲介や、イスラエル側の対応に左右される見通しである。
