サウジ東西石油パイプラインが攻撃受け停止、世界の原油供給に懸念

東西パイプラインはペルシャ湾沿岸のサウジ東部にある産油地域から、紅海沿岸のヤンブーまで原油を輸送する重要インフラである。
サウジアラビアの石油パイプライン(Getty Images/AFP通信)

サウジアラビア政府は11日、国内を東西に横断する石油パイプラインが複数回攻撃を受けたため、一時的に運転を停止したと明らかにした。攻撃は10日に首都リヤド周辺と西部メディナで発生し、関係者の一部が負傷して医療措置を受けた。サウジのエネルギー省当局者の話しとして国営メディアが報じた。

東西パイプラインはペルシャ湾沿岸のサウジ東部にある産油地域から、紅海沿岸のヤンブーまで原油を輸送する重要インフラである。全長は約1200キロ。ホルムズ海峡を通らずに原油を紅海側へ運べることから、地域情勢が緊迫する中で戦略的な重要性が高まっている。

今回の停止は、攻撃による設備への影響を確認し、安全を確保するための措置とみられる。サウジ政府は攻撃の実行主体や被害の詳細を明らかにしていないが、同パイプラインは今年に入って繰り返し攻撃の対象となっており、エネルギー供給網の脆弱性が改めて浮き彫りになった。

サウジの石油産業はすでに中東情勢の悪化による打撃を受けている。国際エネルギー機関(IEA)によると、8月のサウジの原油供給量は前月から日量230万バレル減少し、600万バレルとなった。これは30年以上ぶりの低水準で、施設や輸送ルートへの攻撃が生産と輸出の双方を圧迫している。

さらにホルムズ海峡を巡る緊張に加え、紅海側でも航行への脅威が拡大している。イエメンの親イラン派フーシ派が紅海とアデン湾を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡周辺に進軍し、サウジにとって東西パイプラインは海上輸送の混乱を回避するための重要な代替ルートとなっている。

今回の一時停止が長期化すれば、サウジからの原油輸出能力がさらに制約され、世界の原油市場にも影響する可能性がある。IEAは2026年の世界の原油供給が前年比で日量570万バレル減少するとの見通しを示しており、供給網の混乱が続けば原油価格やガソリン、軽油などの燃料価格を一段と押し上げる可能性がある。

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