◎2018年10月2日、権威主義的なムハンマド・ビン・サルマン皇太子(35歳)の批評家だったジャマル・カショギ氏は、イスタンブールのサウジ領事館内で殺害された。
2020年11月22日 AP通信/サウジアラビア、首都リヤド、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子

2月26日に公表された米諜報機関の報告書によると、サウジアラビアの皇太子はイスタンブールのサウジ領事館内でアメリカを拠点に活動していたジャーナリストの殺害または捕獲する作戦を承認したという。

2018年10月2日、権威主義的なムハンマド・ビン・サルマン皇太子(35歳)の批評家だったジャマル・カショギ氏は、イスタンブールのサウジ領事館内で殺害された。

米国家情報長官事務所は報告書の中で、「サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子はトルコのイスタンブールで、サウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギを捕まえる、もしくは殺す作戦を承認したと評価している」と述べた。

中央情報局(CIA)はサルマン皇太子がカショギ氏の殺害を命じた信じていると伝えられていたが、米政府が皇太子の関与を公に認めたことはなかった

この調査結果は野心的な油問屋の息子を厳しく叱責するものであり、バイデン政権との関係悪化につながる可能性がある。ジョー・バイデン大統領はサウジアラビアの人権と法を無視する権威主義を批判しているが、中東の重要な戦略的パートナーであることも重々承知している。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領は25日午後にサルマン皇太子の父、サルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王に電話をかけ、「アメリカとサウジのパートナーシップ」について意見を交わす中で、「アメリカは人権と法の支配を重視している」と伝えたという。

ロイター通信によると、バイデン政権は権利主義的なサウジアラビアとの武器取引と防御兵器の取引の制限を検討しているという。

公表されたレポートには、サウジアラビアからイスタンブールに到着した15人と6人の関係者の詳細が記載されている。トランプ政権は21人の米国ビザ取得を禁じ、そのうち17人に経済制裁を科した。

しかし、トランプ前大統領は「サルマン皇太子の承認なしにこの種の作戦が実行された可能性はありそうにない」と述べたにもかかわらず、皇太子を巻き込まなかった。

サウジ当局はカショジ氏を移送するために派遣されたチームの不正な作戦と殺害を非難し、裁判所は11人を殺人罪で起訴した。そのうち5人は死刑を宣告されている。

しかし、国連特別報告者のアグネス・カラマード氏は、サウジアラビアは計画的にカショギ氏を処刑したと非難し、裁判所の判決を「体裁を整えるだけのもの。正義のアンチテーゼ」と嘲笑した。

サウジアラビアの検察官によると、領事館内で拘束されたカショギ氏は薬物を大量に投与され死に至ったという。その後、遺体はバラバラに解体され、領事館の外にいた協力者に引き渡されたと報告されている。遺体の行方は分かっていない。

事件の詳細は、トルコの諜報機関が入手した殺害時のものとされる音声で明らかになった。

カショギ氏はサウジ政府の顧問を務めていたが、支持を失い、2017年にアメリカに亡命した。

2014年12月15日 AFP通信/バーレーン、マナーマム、ジャマル・カショギ氏
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