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防衛同盟に注力するサウジ、親イラン勢力からの攻撃続く中

サウジにとって特に大きな脅威となっているのがイエメンの親イラン武装組織フーシ派である。
2026年8月7日/左からトルコのエルドアン大統領、サウジアラビアのサルマン皇太子、パキスタンのシャリフ首相(ロイター通信)

サウジアラビアがイランとその同盟勢力からの攻撃を抑止するため、地域の防衛協力を急速に強化している。自らが始めたわけではない戦争に巻き込まれるリスクが高まる中、軍事的な防衛網を構築することで自国の安全と経済的利益を守り、米国とイランの対立が全面戦争に拡大する事態を避ける狙いがある。

その中心となるのがサウジ、トルコ、パキスタンによる共同防衛協定である。8月7日にサウジ・メッカで署名され、加盟国のいずれかが攻撃を受けた場合、他国が協議し対応することを定めており、北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛(5条)に似た仕組みを持つ。ただし、実際にどこまで軍事的支援を行うのかなど、協定の実効性には不透明な部分が残る。

サウジにとって特に大きな脅威となっているのがイエメンの親イラン武装組織フーシ派である。フーシ派はサウジへの攻撃を再開し、サウジのインフラなどを標的にする姿勢を示している。サウジは自国が直接軍事介入するよりも、イエメン政府が主体となって対応することを重視しながら、紅海の船舶を守る多国間の海上防衛連合の構築を急いでいる。すでに14カ国が参加しているが、西側諸国はより深い軍事関与には慎重な姿勢を示している。

一方、サウジはこれまで、地域戦争への直接参加を避けるため比較的抑制的な姿勢を取ってきた。しかし、攻撃を受け続ける中で、抑止力を高める必要性が増している。実際、サウジは米国と共同でイラクの武装勢力に対する空爆を実施するなど、従来より踏み込んだ対応も見せ始めた。

今回の動きは、サウジが「戦争を拡大させないための軍事力」を重視する方向へ政策を転換していることを示す。外交による緊張緩和を維持しつつ、攻撃された場合には複数国で対抗できる体制を整えることで、敵対勢力に攻撃を思いとどまらせることが狙いだ。ただし、防衛同盟の拡大そのものが地域の軍事的緊張を高め、意図せずサウジをより大きな紛争に引き込む可能性もある。

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