イラン、ホルムズ航行の船舶に停止命令、圧力強める
イラン当局によると、停止させた2隻はいずれもホルムズ海峡から外洋へ向かおうとしていた船舶で、さらに4隻のタンカーがイラン側の警告を受けて引き返したとしている。
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中東情勢の緊迫化を受け、国際原油価格が7月31日に上昇した。イランが世界有数の海上エネルギー輸送路であるホルムズ海峡で航行中の船舶2隻を停止させたと発表したことを受け、市場では原油供給の混乱が一段と深刻化するとの懸念が広がった。ホルムズ海峡は世界の海上輸送による原油・液化天然ガス(LNG)の2割が通過する要衝である。
イラン当局によると、停止させた2隻はいずれもホルムズ海峡から外洋へ向かおうとしていた船舶で、さらに4隻のタンカーがイラン側の警告を受けて引き返したとしている。一方で、これらの主張について独立した機関による確認は得られておらず、詳細な状況は明らかになっていない。市場では、海峡を通過する船舶へのリスクが一段と高まったとの見方が強まり、原油先物価格は買いが優勢となった。
ホルムズ海峡を巡っては、米国とイランの対立激化を背景に航行環境が悪化している。イランは海峡の通航は事実上不可能になったと主張しており、紅海とインド洋を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡でも親イラン武装組織フーシ派による攻撃が相次いでいる。このため、中東から欧州やアジアへ向かうエネルギー輸送は二つの重要な海上ルートで同時に大きな圧力を受けることになり、海運会社や保険会社はリスク管理を強化している。
原油市場では供給不安が一段と強まり、北海ブレントは7月の月間上昇率が23%に達する見通しとなった。市場関係者は、実際の供給量だけでなく、輸送の遅延や保険料の上昇、航路変更による物流コストの増加も価格を押し上げる要因になると指摘している。ロイター通信がまとめた調査でも、多くの市場関係者が中東の供給障害が続く限り、原油価格は今後も高止まりするとの見方を示している。
こうした状況を受け、サウジアラビアは今週、各国と連携した海上防衛の枠組み創設を提案し、安全な航路確保を目指す姿勢を示した。また、仲介役を務めるオマーンはホルムズ海峡の航行管理に関する新たな地域協力案をイランに提示したが、イランはこれを受け入れていない。
外交的な打開策が見いだせない中、世界のエネルギー市場は中東情勢の推移に神経質な反応を続けている。ホルムズ海峡と紅海の混乱が長期化すれば、原油価格の一段高に加え、世界的なインフレ圧力やエネルギー供給不安を招く恐れもあり、各国政府や市場関係者は事態の行方を注視している。
