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イスラエル・モサド長官とシリア外相が電話協議、トルコ軍の展開めぐり

電話協議はイスラエルがシリア北西部イドリブ県の空軍基地を空爆する数日前に行われたもので、イスラエルとシリアの間で、これまでで最も高いレベルの接触の一つとみられる。
イスラエルの対外諜報機関モサドの紋章(Getty Images)

イスラエルの対外諜報機関モサドのゴフマン(Roman Gofman)長官とシリアのシェイバニ(Asaad Hassan al-Shibani)外相が8月14日、シリア国内におけるトルコ軍の展開について電話協議していたことが分かった。ロイター通信が情報筋の話しとして19日に報じた。

電話協議はイスラエルがシリア北西部イドリブ県の空軍基地を空爆する数日前に行われたもので、イスラエルとシリアの間で、これまでで最も高いレベルの接触の一つとみられる。両政府はこの協議についてコメントしていない。

イスラエル軍は18日、イドリブの空軍基地を空爆した。イスラエル側はシリアが同基地へのトルコ軍の展開を認めることで、イスラエルとの間で維持されてきた安全保障上の現状を破る寸前だったと主張した。

イスラエル首相府は声明で、トルコ軍の展開がイスラエルの安全保障を脅かすため、容認できないとの立場を示した。一方、トルコ側はこうした主張を強く否定し、空爆をシリアの主権と領土保全を侵害する行為と非難した。

空爆では基地の滑走路や保管施設などが破壊されたが、シリア側によると死傷者は出ていない。基地はシリア内戦の影響で2013年以降、実質的に使用されていなかった。イスラエルがシリアの政府施設を攻撃したのは3月以来であった。

トルコはシリアの暫定政権を同盟国の一つとして支援しており、軍の訓練や国家機関の再建などで協力を進めている。シリアではアサド前政権が崩壊した後、シャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領率いる政権が発足し、トルコはその治安維持や軍再建に深く関与している。これに対しイスラエルは、シリアでのトルコの軍事的影響力拡大を警戒していた。

今回の電話協議はイスラエルとシリアが直接的な軍事衝突を避けるため、秘密裏に接触を続けていることを示す動きでもある。さらに、イスラエルとトルコの間ではシリアを巡る緊張が高まっている。トルコは空爆を強く非難する一方、イスラエルは自国の安全保障上の懸念を理由に軍事行動を正当化している。

米国はこうした緊張の高まりを受け、イスラエル、トルコ、シリアの間で偶発的な衝突を防ぐための「衝突回避」メカニズムの構築を進めている。米国のバラック(Tom Barrack)特使は3カ国の意思疎通を改善し、軍事活動を巡る誤解や不測の衝突を防ぐ必要があるとの認識を示している。

シリアを舞台にイスラエルとトルコが軍事的に接近する中、両国の対立が暫定政権を巻き込んだ地域的な緊張に発展する可能性もある。今回明らかになったモサド長官とシリア外相の協議はこうした複雑な情勢の中で、イスラエルとシリアが対話による危機管理を模索していることを示すものとなった。

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