レバノン大統領、米ホワイトハウスでトランプ氏と会談へ
アウン氏は首脳会談で、イスラエルに対する米国の影響力を活用し、停戦合意の履行を促すための提案書をトランプ氏に提出する予定である。
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レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領は今週、米ワシントンDCを訪問し、トランプ(Donald Trump)大統領と会談する。レバノンの国家元首によるホワイトハウス訪問は約20年ぶりで、イスラエル軍のレバノン南部からの撤退や、親イラン組織ヒズボラの武装解除に向けた協力を米国に求める考えだ。
アウン氏は首脳会談で、イスラエルに対する米国の影響力を活用し、停戦合意の履行を促すための提案書をトランプ氏に提出する予定である。提案では、イスラエル軍の完全撤退を実現する一方、レバノン政府が国家の統制の下でヒズボラの武装解除を段階的に進める枠組みを示すとみられる。
レバノン南部では、イスラエルとヒズボラの衝突が長期化し、多数の住民が避難生活を余儀なくされている。米国の仲介で停戦合意が成立したものの、イスラエル軍は一部地域への駐留(占領)を継続しており、レバノン側は主権侵害だとして早期撤退を求めている。一方、イスラエルはヒズボラの軍事力が脅威であるとして、安全保障上の理由から部隊駐留を正当化している。
アウン氏は昨年1月に就任した元軍司令官で、米国の支援を受けながら軍改革を進めてきた経歴を持つ。就任後は国家による武力独占を掲げ、ヒズボラの武装解除を最重要課題の一つに位置付けている。停戦直後には一部地域で武器の回収が進展したが、その後、ヒズボラがイランを支援する形でイスラエルへの攻撃を再開し、新たな戦闘に発展したことで、武装解除の取り組みは停滞している。
こうした状況を受け、アウン氏はイスラエルとの直接対話にも前向きな姿勢を示している。レバノン政府高官がイスラエルとの協議に言及すること自体が極めて異例であり、国内では現実的な安全保障政策として評価する声がある一方、ヒズボラ支持層や親イラン勢力からは強い反発も出ている。宗派間の対立が根深いレバノンでは、武装解除を巡る政策が国内政治の大きな争点となっている。
今回の訪米では、イスラエルへの働きかけだけでなく、経済危機に直面するレバノンへの米国の支援も主要議題となる見込みである。同国は長年にわたる金融危機や通貨安に加え、度重なる戦闘によるインフラ被害で深刻な経済難に直面している。アウン政権は政治・経済改革を進める姿勢を示しており、国際社会からの支援拡大を期待している。
一方、トランプ政権は中東情勢の安定化を外交課題の一つに掲げ、レバノン政府を通じてヒズボラの影響力を弱めることを重視している。今回の首脳会談はレバノン南部の安全保障や停戦維持に加え、米国が今後の中東政策でどのような役割を果たすかを占う重要な機会となりそうだ。
