SHARE:

イスラエル・レバノン協議始まる、米国が仲介、ヒズボラの武装解除見通せず

両国代表団はローマの在米国大使館で2日間の日程で会談し、緊張緩和に向けた実務的な調整を進める予定である。
イスラエルとレバノンの国旗(Getty Images)

レバノンとイスラエルは14日、イタリア・ローマで米国の仲介による協議を開始した。両国は6月下旬にワシントンDCで合意した停戦枠組みの履行に向け、イスラエル軍のレバノン南部からの段階的撤退や、レバノン政府軍の展開、親イラン組織ヒズボラの武装解除などについて具体的な実施方法を協議する。両国代表団はローマの在米国大使館で2日間の日程で会談し、緊張緩和に向けた実務的な調整を進める予定である。

今回の協議は、3月以降に再燃したイスラエルとヒズボラの戦闘を終結させることを目指す枠組み合意の実施段階に当たる。合意では、イスラエル軍がレバノン南部から順次撤収する一方、レバノン軍が治安維持を担い、ヒズボラの武装解除を進めることが柱となっている。しかし、イスラエルはヒズボラの軍事力が依然として残っていることを理由に、国境沿い約10キロの範囲に設定した「緩衝地帯」への駐留継続を主張している。一方のレバノン政府は、自国領からの即時撤退を求めており、双方の立場にはなお大きな隔たりがある。

協議では、双方が限定地域で合意内容を先行実施する「パイロットゾーン」の設置が主要議題となる見通しである。特定地域でイスラエル軍の撤収とレバノン軍の展開を段階的に進め、その成果を踏まえて対象地域を拡大する構想で、米中央軍(CENTCOM)が両軍との調整を担っている。レバノン政府はこの試験的な取り組みを通じて信頼醸成を図り、全面的な撤収への道筋をつけたい考えである。

一方、停戦実現への障害も少なくない。ヒズボラは武装解除に強く反発しており、交渉に参加していない。イスラエル軍による空爆も散発的に続いており、緊張状態が続く。レバノンでは100万人以上が避難を余儀なくされ、多数の死傷者が発生していることから、住民の間では早期の停戦実現を望む声が高まる一方、武装解除をめぐる国内対立が深まり、政治的な不安定要因となっている。

今回のローマ協議は、長年敵対関係にある両国が米国の仲介の下で停戦合意を具体化する重要な局面と位置付けられる。ただ、軍事的な不信感やヒズボラの対応、イスラエル軍撤退の時期など未解決の課題は多く、協議が恒久的な安定につながるかは不透明である。国際社会は段階的な信頼醸成措置が地域の緊張緩和につながるかどうかを注視している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします