イスラエル軍がレバノン南部の一部地域から撤退、正規軍が展開
米国はレバノン軍への支援や関係各国との調整を進め、南部の安全地帯を段階的に拡大することで、長期的な停戦と国境地帯の安定化を目指している。
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レバノン軍は21日、イスラエル軍が南部地域の一部から撤退したことを受け、同地への部隊展開を開始した。これは米国の仲介で先月合意に至った新たな停戦・治安回復計画に基づく初の本格的な運用事例となる。
この合意では、イスラエル軍が段階的に占領地域から撤退する一方、レバノン軍がその空白を埋める形で展開し、親イラン組織ヒズボラの武器や軍事施設を管理・撤去することが柱となっている。
米国はレバノン軍への支援や関係各国との調整を進め、南部の安全地帯を段階的に拡大することで、長期的な停戦と国境地帯の安定化を目指している。
しかし、部隊展開の開始直後には緊張も生じた。レバノン当局によると、一部のレバノン軍関係者がイスラエル側の設定した立ち入り制限区域に近づいた際、イスラエル軍が警告射撃を実施した。負傷者は出なかったものの、現場では依然として両軍が至近距離で対峙する状況が続いており、計画の履行には慎重な調整が求められている。
この地区では、これまでの戦闘で住宅や道路、上下水道などのインフラが大きな被害を受けている。レバノン軍部隊は不発弾や爆発物の除去作業を進めているが、安全確認が終わるまで住民には帰還しないよう呼びかけている。また周辺地域にはイスラエル軍が駐留する地点もあり、住民の間では早期の生活再建に対する不安が根強い。
今回の展開は今年に入り激化したイスラエルとヒズボラの戦闘を受けた停戦努力の一環である。米国はレバノン政府による南部支配の回復が、ヒズボラの軍事的影響力を抑制し、国境地帯の安定につながるとの期待を示している。一方、イスラエルはレバノン軍がヒズボラを十分に統制できるかについて懐疑的な姿勢を崩しておらず、合意違反があれば対処する方針を示している。
レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領は21日、米ワシントンDCでトランプ(Donald Trump)大統領と会談し、停戦合意の履行や復興支援について協議した。
南部へのレバノン軍展開が順調に進めば、他の国境地域にも同様の枠組みが拡大される可能性があるものの、ヒズボラの武装解除や住民帰還、安全確保といった課題が山積しており、計画の成否は今後の現地情勢に大きく左右される見通しである。
