◎この取り引きはロシアとの関係を緊張させる可能性がある。
2019年7月28日/イスラエル軍が公開した写真、極超音速ミサイル・アロー3の発射試験(Menahem Kahana/Pool/AP通信)

イスラエル国防省は17日、高度なミサイル防衛システムを同盟国ドイツに35億ドルで売却する過去最大の防衛契約を締結した。

イスラエルは米国の支援を受け、西ヨーロッパ諸国と経済・軍事で緊密な関係を築いてきた。今回の取り引きはロシアとの関係を緊張させる可能性がある。

イスラエルはウクライナ侵攻を非難する一方、ロシアとの協力関係を維持。ロシアの反感を買うことを恐れて、ウクライナへの兵器供与を何度も拒否してきた。

ドイツ政府は長距離弾道ミサイルを迎撃するために設計された「アロー3」と呼ばれる防衛システムを購入する予定だ。

このシステムはイスラエルとドイツが共同開発したものである。イスラエルは取引に先立ち、米国務省にこれを支持するよう求めていた。

AP通信はイスラエル軍当局者の話として、「アロー3はドイツの防衛能力を拡大すると同時に、イスラエルと米国の防衛関係をも強化する」と伝えている。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの取引を「歴史的」と呼び、称賛した。

またネタニヤフ氏はナチスドイツのユダヤ人虐殺に言及し、次のように述べた。「75年前、ユダヤ人たちはナチスの地で塵と化した。75年後、イスラエルは全く別の同盟国であるドイツと歴史的な契約を結んだ...」

イスラエルとロシアは微妙な関係にあり、隣国シリアの安全保障問題で連携している。

しかし、イスラエルは近年、シリアでロシアの支援を受けるイランの軍事拠点を何百回も空爆してきた。ロシアには多くのユダヤ人コミュニティがある。

イスラエルはウクライナへの兵器供与を拒否し、代わりに人道支援は送っている。

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