イスラエル首相、米国のガザ和平案を拒否「ハマスの武装解除が先」
イスラエル軍はガザから撤退する前に、イスラム組織ハマスが完全に武装解除する必要があるとの立場を堅持している。
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イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は9日、パレスチナ・ガザ地区を巡るトランプ(Donald Trump)米大統領の15項目の和平案を受け入れない方針を強調した。イスラエル軍はガザから撤退する前に、イスラム組織ハマスが完全に武装解除する必要があるとの立場を堅持している。米国が恒久的な停戦と和平に向けて双方に履行を促す中、イスラエルとハマスの間では武装解除とイスラエル軍撤退の順序を巡る対立が鮮明になっている。
ネタニヤフ氏は閣議冒頭で、イスラエルはトランプ氏の15項目の文書を受け入れないと明言。イスラエル軍はハマスが武装解除するまで、ガザから一切撤退しないとし、対象には重火器だけでなく軽火器など「すべての武器」が含まれると説明した。形だけの武装解除ではなく、実質的な完全武装解除が必要だとしている。ネタニヤフ氏は「米国とは協議を続けているものの、米側の提案には受け入れられる部分と受け入れられない部分がある」と述べた。
トランプ氏は先月、ガザ紛争終結に向けた和平案で突破口が開かれたと発表していた。案では、ハマスが武装解除を進めるのと並行してイスラエル軍が段階的に撤退し、国際安定化部隊がパレスチナ当局と協力してガザの治安を担う構想が示されている。ところが、実施段階に入り、双方の認識の違いが表面化した。
ハマス側はエジプト・カイロで仲介国と合意した和平の道筋に引き続きコミットしていると主張する。ただし「武装解除」という表現は避け、米国が支援するパレスチナ政権の管理下で武器を引き渡し、保管することに同意したとしている。ハマスはイスラエルが先に攻撃を停止し、軍を撤退させることが合意履行の前提だと主張している。
一方、イスラエルでは強硬派がネタニヤフ氏の姿勢を支持する。極右政党を率いるスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は9日、ハマスの完全な解体と武装解除が終わるまで、ガザから軍を撤退させるべきではなく、復興も始めるべきではないと主張した。
イスラエル軍は米国からの圧力を受け、8月初め以降、ガザでの攻撃を縮小している。ロイター通信によると、現在は差し迫った脅威への対応に限定し、それまで頻繁に行っていた空爆も停止しているという。一方、停戦合意後もイスラエルの攻撃で1200人以上が死亡したとガザ保健当局は発表している。ガザの約3分の2はイスラエル軍の占領下にあり、200万人を超える住民の大半が狭い沿岸部に追いやられている。
10月27日に予定されるイスラエル総選挙を前に、ネタニヤフ氏は米国からの和平圧力と、政権内の強硬派の双方への対応を迫られている。
