イスラエル政府、ヨルダン川西岸で新たなユダヤ人入植地34カ所整備へ、予算閣議決定
国連は入植地建設について、国際法に反し、中東和平の実現を阻む最大の障害と位置付けている。
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イスラエル政府は14日、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区で34カ所の新たなユダヤ人入植地を整備するため、13億シェケル(約700億円)の予算を閣議決定した。極右政党を率いるスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相が明らかにしたもので、道路など関連インフラの整備費として別途10億7500万シェケルも計上される。今回の計画はイスラエルの入植政策をさらに加速させる内容もので、パレスチナ問題を巡る緊張が一段と高まる可能性がある。
スモトリッチ氏は極右政党「宗教シオニズム」を率い、パレスチナ国家の樹立に一貫して反対する立場を取っている。同氏は今回の決定について、「イスラエルの安全保障を強化し、ユダヤ人の歴史的権利を守るものだ」と強調するとともに、将来的なパレスチナ国家の樹立を阻止するための重要な措置との認識を示した。今回の34カ所を含め、同氏の在任中に承認・推進された新規入植地は計103カ所にのぼる。
ヨルダン川西岸には現在、およそ70万人のユダヤ人入植者が約270万人のパレスチナ人と共に生活している。国連は入植地建設について、国際法に反し、中東和平の実現を阻む最大の障害と位置付けている。一方、イスラエル政府はこうした見解を受け入れず、入植活動は安全保障上および歴史的権利に基づく正当な政策だと主張してきた。
近年、西岸地区では入植者とパレスチナ人の衝突が急増しており、土地の接収や暴力事件を巡って国際的な懸念が強まっている。欧州各国では入植活動への制裁や、入植地で生産された製品の輸入規制を求める声も高まっているが、対応を巡る加盟国間の意見は一致していない。
今回の予算措置は10月に行われる総選挙を前に打ち出されたもので、右派支持層へのアピールとの見方もある。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は入植計画を支持しているが、各種世論調査では与党陣営の苦戦も伝えられている。選挙戦では安全保障やガザ情勢に加え、西岸地区の入植政策が争点の一つとなる見通しだ。
今回の予算投入はイスラエル政府が西岸地区での実効支配を一層強化する姿勢を鮮明にしたものと受け止められている。一方で、パレスチナ側や国際社会との対立はさらに深まり、和平交渉の再開や「二国家解決」の実現は一段と困難になるとの懸念が広がっている。
