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イラク、ホルムズ海峡を通じ原油200万バレル輸送、戦時下の輸出ルート確保に動く

今回の輸送では、原油をイラク南部バスラの港で引き渡すのではなく、タンカーに積載したままホルムズ海峡を通過させた。
ホルムズ海峡を航行するイラン海軍の艦艇(Getty Images)

イラク国営の石油タンカー会社は3日、超大型原油タンカー(VLCC)を使い、原油200万バレルをホルムズ海峡経由で輸送したと発表した。同社によると、こうした形で原油を輸送するのは数十年ぶりとなる。イラン戦争によって海峡の航行が大きく制限される中、イラクが自前の輸送能力を活用して原油輸出の柔軟性を高めようとしていることを示す動きである。

今回の輸送では、原油をイラク南部バスラの港で引き渡すのではなく、タンカーに積載したままホルムズ海峡を通過させた。これにより、イラク国営石油販売会社SOMOは原油をどこで、どのタイミングで販売するかについて、より大きな選択肢を持てるようになる。石油タンカー会社は、販売条件や価格面で有利な機会を利用できる可能性があると説明した。

イラクは世界有数の原油輸出国だが、ペルシャ湾の最奥部に位置するため、ホルムズ海峡の混乱による影響を受けやすい。海峡を通過する船舶が急減したことで、イラク産原油の輸出は今年に入り大きく制約されてきた。8月のイラクの原油輸出量は日量235万4000バレルだったが、9月には輸送上の制約から減少したとされる。

そのためイラク政府は、海上輸送能力の強化を進めている。石油タンカー会社は今後、原油輸送に特化したタンカーを購入・保有し、自社船隊を拡大する方針を示している。地域の海運会社への依存を減らし、輸出経路を自ら確保する狙いがある。

現在のホルムズ海峡では、通常時と比べて商船の通航が大幅に減少している。9月20日の週には、海峡を通過した原油は約3370万バレルとなり、追跡可能な大型タンカーの数も限定的だった。

今回の200万バレル輸送は、イラクが危険な航路を完全に回避するのではなく、限られた通航機会を利用しながら輸出を維持しようとする対応といえる。今後、ホルムズ海峡の安全確保とイラクの輸送能力強化が、同国の原油輸出量だけでなく、国際的な原油供給の安定性を左右することになる。

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