開戦から7カ月、イラン市民を直撃する物価高、家賃・食料・医療に広がる生活苦
首都テヘランでは、家賃の高騰によって住居を維持できなくなり、郊外や地方へ移る人が増えている。
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米国とイランの戦争が始まってから7カ月が経過し、イラン国内では物価上昇や雇用悪化によって市民生活への影響が深刻化している。米国による海上封鎖でイランの主要な収入源である石油輸出が大きく制限され、食料や医薬品、住宅など生活に欠かせない分野で負担が増している。
首都テヘランでは、家賃の高騰によって住居を維持できなくなり、郊外や地方へ移る人が増えている。元エンジニアの男性はロイター通信の取材に対し、貯蓄を使い果たしたため妻とともにテヘランのアパートを離れ、より生活費の安い地域への移住を検討していると語った。小売店でも消費者の買い控えが目立ち、以前なら5個から10個購入していた商品を2個程度しか買えないという実態が報告されている。
医療費の負担も重くなっている。北部に暮らす60代の女性は、公務員年金を頼りに生活しているが、アルツハイマー病を患う母親の薬や介護用品を十分に購入できない状況にあるという。別の教師も母親の薬代を常に確保できるわけではなく、戦争による学校のオンライン化を受けてテヘランを離れ、家族と地方で暮らしている。
民間部門では雇用にも影響が及んでいる。テヘラン在住の女性は、契約を更新した直後にもかかわらず勤務先の調達部門を解雇されたと証言し、家族は食費を最優先にして支出を厳しく管理しているという。企業活動の縮小が雇用を圧迫し、所得減少と消費低迷が同時に進む状況となっている。
経済的な圧力は外交にも影響を与えている。米国、イラン双方の関係者によると、イラン側が外交協議を進める背景には経済への打撃に対する懸念もあるとされる。もっとも、イラン政府は国内の反対運動を厳しく取り締まっており、取材に応じた市民の多くも、抗議デモより日々の生活を維持することに追われていると語っている。
一方、戦争はイラン国内だけでなく世界のエネルギー市場にも影響を及ぼしている。ホルムズ海峡を通る石油・ガス輸送が滞り、原油価格の上昇を通じて各国の消費者や企業にも負担が波及している。9月下旬には米国とイランが仲介国を通じてそれぞれ協議を行い、停戦に向けた外交努力が再び動き始めているが、双方の条件にはなお隔たりがある。
7カ月に及ぶ戦争は、軍事施設だけでなく一般市民の日常生活そのものを圧迫している。物価、雇用、住宅、医療という複数の問題が同時に悪化する中、戦闘のが続けば経済的な負担がさらに広がる可能性がある。
