2020年11月20日 AP通信/イラン、首都テヘラン、イラン革命防衛隊のエスマイル・ガーニ将軍

イラク政府当局者によると、イランは同盟国に対し、退任を間近に控えたトランプ大統領との緊張を引き起こさないように指示したという。

今週、イラン革命防衛隊の司令官、エスマイス・ガーニ将軍から同盟国に向けて発信された要請は、トランプ大統領の予測不可能な行動と、ジョー・バイデン新大統領への権力移行に伴う混乱と不確実性を反映している。

イランの同盟国はトランプ大統領の敗北を歓迎した。

一方、トランプ大統領はアメリカとイランの緊張を高め、今年初めのカシム・ソレイマニ将軍暗殺で緊張は沸点に達した。

その後、イランはドローンによる空爆攻撃を開始し、イラクに駐在する米兵数十人を負傷させている。

トランプ大統領は2018年にイラン核合意から一方的に離脱し、核兵器の開発を阻止。さらに、制裁でイランの経済を破壊した。

その後、イランはウラン濃縮プログラムに関する全ての制限を放棄した。なお、バイデン氏はイラン核合意に再び参加する計画を表明している。

2019年5月14日 Getty Images/ルイジアナ州ハックベリー、トランプ大統領

ガーニ将軍の報道官はAP通信のインタビューの中で、「イランに対するアメリカの攻撃は本格的な戦争を引き起こす可能性がある」と警告した。

エスマイス・ガーニ将軍の報道官:
「私たちは戦争を歓迎しない。戦争を始めるつもりもない」

追いつめられたトランプ大統領は、権力移転中の不安定な時期にアフガニスタンとイラクの米兵を削減し、イランが支援するイエメンのフーシ反乱運動をテロ組織に指定すると発表した。

バイデン氏はイエメンでのサウジアラビア主導の戦争と支援を終わらせると公言しており、この動きは計画の妨げになる可能性が高い。

ガーニ将軍は今週、バグダッドでイランが支援するイラク民平派とシーア派との会談に出席し、「トランプに新たな暴力の口実を与えてはいけない」と要請した。

エスマイス・ガーニ将軍:
「イラクのシーア派軍準備組織へ。イラクにおけるアメリカへの攻撃を今すぐ停止せよ」

2019年5月8日 Getty Images/イランに圧力をかけるUSSエイブラハムリンカーンとUSNSアークティック

イラク政府当局者は、今週イラクでイランが支援する派閥とガーニ将軍の会談を確認したという。

またレバノンでは、イランが支援する過激派ヒズボラグループのリーダー、ハサン・ナスララが、トランプ大統領の退任間際の行動に警戒するよう信者と同盟国に呼びかけている。

ハサン・ナスララは今月初めにテレビで放送された演説の中で、「今後2カ月間は警戒を怠らないようにする必要がある。ただし、アメリカやイスラエルの愚行が迫れば、現物で対応する」と述べた。

ガーニ将軍の要請から数時間後。カチューシャロケット複数発がイラクの首都バグダッドのグリーンゾーンとその周辺に着弾。子供を含む民間人数名が死傷した。なお、ヒズボラは関与を否定している。

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