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米国でZ世代単身女性の住宅購入増加、男性を大きく上回る

米国では住宅価格の中央値が40万ドル(約6350万円)を超える水準で推移しており、頭金やローン返済負担が若年層に重くのしかかっている。
売り家の看板(Getty Images)

米国でZ世代女性の住宅購入が拡大している。全米不動産業者協会(NAR)が20日に公表したデータによると、2024年7月から25年6月にかけて住宅を購入したZ世代のうち、単身女性は35%を占め、単身男性の18%を大きく上回った。住宅価格の高騰や住宅ローン金利の上昇で若年層の住宅取得が難しくなる中でも、若い女性たちが積極的に住宅市場へ参入している実態が浮かび上がった。

一方で、Z世代全体の住宅購入者は全体の4%にとどまり、初めて住宅を購入する「ファーストバイヤー」の割合は1981年以降で最低水準に落ち込んだ。米国では住宅価格の中央値が40万ドル(約6350万円)を超える水準で推移しており、頭金やローン返済負担が若年層に重くのしかかっている。

それでも単身女性の購入が伸びている背景には、経済的自立への意識の高まりがある。NARは女性の大学進学率上昇によって収入面での優位性が広がっていると分析する。また、結婚を前提とせず、自らの生活基盤を確保したいという価値観も強まっているという。

実際、住宅購入に成功した若い女性たちは、節約や副業を通じて資金を積み立てている。20代前半で住宅を購入した女性は、2つの仕事を掛け持ちしながら給与の半分を貯蓄に回した。また、親族との同居による生活費削減や、公的支援制度の活用、退職年金口座からの資金引き出しなど、さまざまな工夫で頭金を準備しているケースも多い。

単身女性の住宅購入増加はZ世代特有の現象ではない。NARによると、2024~25年に住宅を購入した全世代のうち、単身女性は25%を占め、単身男性の11%を大きく上回った。この傾向は1980年代から続いており、女性による住宅所有は米国社会で定着しつつある。背景には、1970年代まで女性単独で住宅ローンを組むことが難しかった歴史的事情もある。

もっとも、住宅市場の先行きは依然厳しい。高金利や物価高により、多くの若者にとって住宅取得は「遠い目標」になっている。それでもZ世代女性の間では、住宅を単なる住居ではなく、将来の資産形成や生活の安定を支える重要な投資先とみなす考えが広がっている。厳しい環境下でも住宅取得に踏み切る若い女性たちの動きは、米国社会における価値観やライフスタイルの変化を象徴している。

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