イラン外相「オマーンとのホルムズ協議、最終段階」米国に圧力
世界の原油・液化天然ガス(LNG)の2割が通過するホルムズをめぐり、米国とイランの間で緊張緩和に向けた駆け引きが続いている。
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イラン政府は9日、オマーンとの間で、ホルムズ海峡を通過する商船の新たな航路を定める合意が「最終段階」にあると明らかにした。ただし、イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は、海峡を再開するには米国が別の条件を履行する必要があると強調した。
世界の原油・液化天然ガス(LNG)の2割が通過するホルムズをめぐり、米国とイランの間で緊張緩和に向けた駆け引きが続いている。
アラグチ氏によると、オマーンとの合意は、米国が条件を満たしてホルムズ海峡が再開された場合に使用する新たな航路を定めるものとなる。米政府当局者も8日、イランとオマーンの合意が近く成立し、海峡の再開につながる可能性があるとの見方を示していた。しかしイラン側は、航路に関する合意だけでは海峡を開放しない姿勢を崩していない。
イランが米国に求めている条件には、米国による攻撃への補償、イランへの脅威の停止、制裁と海上封鎖の解除、凍結されたイラン資産の解放などが含まれる。最高安全保障委員会のゾルガドル(Mohammad Bagher Zolghadr)事務局長も、イランだけでなく、レバノン、パレスチナ、イエメン、イラクの同盟勢力に対する米国の攻撃停止を要求した。
米国とイランは現在、直接交渉を行っていない。アラグチ氏は9日、6月に結ばれた暫定合意(覚書)を米国が破る限り、イランから交渉を始めることはないと説明した。一方、両国は仲介者を通じてやり取りを続けている。トランプ(Donald Trump)米大統領はイランとの交渉について、「続いている」と述べ、経済状況が悪化しているイランの動きを注視しているとの認識を示した。
今回の動きの背景には、米国とイスラエルによるイランへの攻撃と、それに続く停戦、さらに米国によるイラン港湾への逆封鎖がある。イランは米国の措置が停戦合意に違反していると主張してきた。ホルムズ海峡をめぐっては、アラブ首長国連邦(UAE)が8日、イランが同国の国営石油会社に関係する船舶を攻撃したと発表しており、緊張が完全に収まったわけではない。
さらに中東では、イランと同盟関係にあるイエメンのフーシ派による攻撃も続いている。フーシ派は9日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの製油所をドローンで攻撃したと主張した。サウジ政府は製油所で火災が発生したものの消火され、負傷者はいなかったとしている。
ホルムズの再開は原油やLNGの安定供給だけでなく、世界のエネルギー価格や海運にも大きな影響を及ぼす。オマーンとの航路合意が最終段階に入ったとしても、米国とイランの間には補償や制裁解除などをめぐる隔たりが残る。海峡の再開が実現するかどうかは、両国がこれらの条件をどこまで調整できるかにかかっている。
