SHARE:

イエメン政府とフーシ派の戦闘激化、国連が懸念表明

フーシ派は7日、政府の拠点がある中部マリブ県に弾道ミサイルとドローンによる攻撃を実施した。
2024年9月22日/イエメン、首都サヌア、フーシ派の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

イエメンで親イラン武装組織フーシ派と、国際的に承認されたイエメン政府との戦闘が激化している。フーシ派は7日、政府の拠点がある中部マリブ県に弾道ミサイルとドローンによる攻撃を実施し、政府系通信社SABAによると、避難民キャンプや住宅地が被害を受け、2人が死亡、14人が負傷した。

これに対しイエメン軍は8日、複数の前線でフーシ派に対する軍事作戦を実施したと発表した。双方の攻撃が相次ぐことで、2022年以降、大規模な戦闘が抑えられてきたイエメン内戦が再び全面化する懸念が高まっている。

今回の攻撃は、緊張が急速に高まる中で発生した。ロイター通信によると、6日にはマリブ県と東部ハドラマウト県の軍事キャンプが攻撃を受け、政府軍兵士少なくとも30人が死亡した。フーシ派はこの攻撃を認め、サウジアラビア軍が大規模な増強を進めていることへの対抗措置だと主張している。

さらに情勢を複雑にしているのが、イエメン内戦と中東の地域対立との結び付きだ。フーシ派は先月、紅海でサウジに対する海上封鎖を宣言し、サウジ側の「イエメン包囲」への対抗措置だと説明した。サウジはこの主張を否定している。また、紅海やアデン湾では商船への攻撃が発生し、イエメン国内の戦闘が国際的な海上交通や地域の安全保障に波及した。

国連のイエメン担当特使はマリブとハドラマウトでの最近の攻撃に加え、商船への攻撃再開を踏まえ、イエメンは2022年4月の停戦以降で最も紛争再燃の危険性が高い状態にあると警告した。

また特使は紛争当事者に最大限の自制を求め、国連主導の協議に戻るよう呼び掛けた。国連安全保障理事会も緊張の高まりに懸念を表明し、地域の安全保障や航行の自由を脅かすとして、対話による緊張緩和を求めている。

イエメンでは2014年にフーシ派が首都サヌアを掌握し、翌2015年からサウジ主導の連合軍が政府側を支援してきた。この戦争は甚大な人的被害と深刻な人道危機をもたらした。2022年の停戦後は戦闘が沈静化していただけに、今回の連続攻撃はイエメンが再び戦争に逆戻りする可能性を示す動きとなっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ