◎ハマスは抗議デモに参加しなかったが、ガザ地区でデモを行うためにはハマスの承認を得る必要がある。
2021年5月22日/パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

1月23日、パレスチナのガザ地区でイエメン内戦におけるサウジアラビアの空爆に抗議するデモが開催された。

ガザ地区を支配するイスラム過激派組織ハマスとつながりのあるジハード組織「イスラム聖戦」は、数百人の抗議者を引き連れ、「サウード家(サウジアラビアの王家)に死を!」と唱え、イエメン内戦の当事者であるシーア派武装勢力フーシを支持した。

世界最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦(サウジ連合軍vsフーシ派)の死亡者数は両軍合わせて13万人を超え、民間人約12,000人が殺害されたと推定されている。

サウジアラビアはフーシ派が同盟国UAE(アラブ首長国連邦)の石油施設に自爆ドローン攻撃を仕掛けたことに激怒し、1月21日にイエメン西部の港湾都市フダイダにある刑務所を爆撃した。この空爆で少なくとも87人が死亡、200人以上が負傷した。

ハマスは23日の抗議デモに参加しなかったが、ガザ地区でデモを行うためにはハマスの承認を得る必要がある。

ハマスの報道官は23日の声明で、「ハマスはガザ地区で行われた湾岸諸国に対するデモに一切関与していない」と述べ、サウジアラビアとUAEに配慮した。

サウジアラビアは宿敵イランとつながりのあるハマスとフーシ派もテロリストと見なしており、西側の関係国と緊密に連携してこれらのジハード組織と戦っている。

一方、イスラエルと敵対しているハマスは湾岸諸国の支持を集めつつ、イランから数百万ドル規模の兵器を受け取っている。

しかし、イスラエルはイランを除く湾岸諸国との関係を確立しており、ハマスの存在は問題を複雑にしている。ハマスの共同創設者であるマフムード・ザハール氏は22日の声明で、UAEに対するフーシ派のドローン攻撃を支持すると述べていた。

UAE政府は22日、フーシ派とハマスの声明を引用し、「空爆にテロリストは厳しく罰せられる」と述べ、報復を誓った。

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