◎ヨルダン川西岸ではこの数カ月、緊張が高まっている。
ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地(Getty Images)

英仏独などの欧州諸国は4日、ヨルダン川西岸地区で暴力事件が多発していることに深刻な懸念を表明し、イスラエルとパレスチナに平静を取り戻すよう呼びかけた。

イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スペインは共同声明で、ヨルダン川西岸の町ハワラで3人が死亡した暴力事件を非難した。

また6カ国は事件に関与した組織や個人は責任を負い、訴追されなければならないと指摘した。

イスラエル人入植者は先月末、ハワラの住宅地で暴れ、これに反発したパレスチナ人がイスラエル人2人を射殺。入植者はこの攻撃に激怒し、車両数十台と民家に火を放った。

パレスチナ自治政府によると、この衝突でパレスチナ人1人が死亡、4人が重傷を負ったという。

この暴力事件はイスラエルとパレスチナの代表が米国などの仲介により、ヨルダンで会談した日に発生した。

イスラエル政府はパレスチナ人の暴力を非難し、「さらなる暴力を防ぐ必要がある」と声明を出した。

ヨルダン川西岸ではこの数カ月、緊張が高まっている。

イスラエル軍はほぼ毎日、難民キャンプなどで取り締まりを決行。今年に入ってから60人以上のパレスチナ人を殺害している。

今回暴動が発生したハワラはユダヤ人入植地に囲まれた人口7000人ほどの町で、イスラエル人とパレスチナ人の暴力の火種になってきた。

欧州6カ国は双方に恒久的な和平に向けた努力を推し進めるよう促した。

また6カ国はイスラエル政府に対し、ヨルダン川西岸における7000戸以上の住宅建設許可と、その他の入植地を合法化する最近の決定を撤回するよう求めた。

イスラエル史上最も右寄りなネタニヤフ政権は入植地を拡大すると宣言している。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。国際社会はこの占領を認めていない。

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