◎13年目を迎える内戦の犠牲者は50~60万人と推定され、10万人以上が行方不明になったとみられる。
2023年6月15日/ブリュッセルの欧州理事会本部、シリア向け人道支援について協議する会合(Geert Vanden Wijngaert/AP通信)

ブリュッセルの欧州理事会本部で15日、EU主催の会合(シリアの未来を支える:第7回会合)が開かれ、57カ国と30の国際機関が戦争・貧困・飢餓に苦しむシリア難民を支援し続けることで合意した。

それによると、各国は今年、シリア国内と海外の難民に103億ドルを援助すると確約したという。

EU委員はこの決定を歓迎した。EU加盟27カ国は前日からシリア難民支援について協議してきた。

同委員らによると、今年の公約額は昨年を8億7500万ドル上回ったという。しかし、公約額が年内にすべてシリアに届くわけではない。

国連のグテレス(António Guterres)事務総長は国際社会に対し、少なくとも111億ドルを確約してほしいと呼びかけていたが、目標額にはわずかに届かなかった。

グテレス氏は会議後の演説で、「私の願いはシンプルです。シリアの人々を助けるために力を貸してほしい」と改めて呼びかけた。「時間がありません...」

集められた資金は内戦で荒廃したシリアの市民と、トルコ、レバノン、ヨルダンなどに避難した約570万人のシリア難民支援に充てられる。

13年目を迎える内戦の犠牲者は50~60万人と推定され、10万人以上が行方不明になったとみられる。戦前の人口の半数が国外に逃亡した。

各国と国際機関はウクライナ侵攻、イエメン内戦、スーダン内戦などについても協議した。

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