◎タリバンは穏やかなイスラム国家を構築すると約束したが、一部の地域では1990年代の恐怖政治を彷彿とさせる取り組みが始まっている。
2021年8月20日/アフガニスタン、首都カブールの理髪店(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

アフガニスタンの現地メディアによると、ヘルマンド州のタリバン当局はイスラム法に基づき理髪店にあごひげの処理をやめるよう命じたという。

ヘルマンド州の宗教警察は声明で、規則に違反した者は罰せられると述べた。

8月15日にアフガニスタンを占領したタリバンは穏やかなイスラム国家を構築すると約束したが、一部の地域では1990年代の恐怖政治を彷彿とさせる取り組みが始まっている。

西部ヘラート州では親子を誘拐したとされる容疑者4人が25日に射殺され、その後4人の死体は公の場に吊るされた。

タリバンはヘルマンド州南部の理髪店に宛てた通知の中で、「美容師はシャリーアに違反しない散髪を行わなければならず、あごひげを処理した者は厳しく罰せられる」と述べた。

ロイター通信によると、通知には「シャリーアは絶対であり、文句を言う権利は誰にもない」と書かれていたという。

首都カブールの一部の理髪店も同様の脅迫を受けたと伝えられている。

ロイター通信の取材に応じたカブールの理髪店は、「タリバンの戦闘員はあごひげのトリミングをやめるよう命じ続けています」と述べた。「戦闘員のひとりは、覆面捜査官を送りシャリーアを守っているかチェックすると言いました」

カブールで美容室を運営している美容師は、政府の役人と名乗った男から電話を受けたとロイターに語った。「男はアメリカンスタイルをやめ、客のあごひげを剃ったり整えたりしてはいけないと命じました...」

旧タリバン政権(1996~2001)の強硬派指導者たちは派手な髪形を禁じ、「男はあごひげを伸ばさなければならない」と命じた。

しかし、2001年の政権崩壊以来、アフガニスタンの男性たちは西洋スタイルの髪型とひげを好むようになった。

英BBCニュースの取材に応じたある理髪店は、「新しい規則は売り上げに深刻な影響を与える」と述べた。「好きな髪形にしてくれない理髪店に通う顧客はいません。タリバンはそのうち理髪店やサロンを禁止するでしょう」

ヘラート州で理髪店を営んでいる男性はBBCに、「正式な命令は受けていないが、あごひげのトリミングをやめた」と述べた。「多くの顧客がタリバンに狙われたくないという理由であごひげを処理しなくなりました。あごひげを伸ばせば周囲に溶け込むことができます」

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