◎生鮮野菜や果物などを積んだトラック7000台近くがパキスタン側で待機している。
2021年8月21日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所(Muhammad Sajjad/AP通信)

パキスタン当局は21日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所について、タリバンの封鎖措置が維持されており、交易に支障が出ていると報告した。

パキスタン政府は先週、アフガンからビザなし入国を試みる負傷者の受け入れを拒否すると発表。アフガンのタリバンはこれに強く反発し、19日にトルカム国境検問所を封鎖した。

この封鎖は両国の緊張を高め、イスラム過激派の台頭を後押しする可能性がある。

AP通信によると、パキスタン側の検問所には様々な物資を積んだ大型トラックや貿易商が待機しているという。

生鮮食品を積んだトラックの所有者はAPに、「食べ物が腐る前にアフガンの会社に届けたい」と語った。

地元のテレビ局などによると、トルカム国境検問所付近では20日頃から散発的な銃撃戦が続いているという。APは「タリバンの戦闘員とパキスタンの国境警備隊が銃撃戦を繰り広げた」と報じているが、詳細は明らかになっていない。死傷者の有無も不明だ。

パキスタン・アフガン合同商工会議所によると、生鮮野菜や果物などを積んだトラック7000台近くがパキスタン側で待機しているという。

さらに、ビザを持っているパキスタン人数百人もアフガンに入国できず、困っているようだ。

アフガン側の頭部ナンガルハル州でも多くの車両が待機している。タリバンはこの問題に関する声明を出していない。

ナンガルハル州の報道官はAPの取材に対し、「パキスタン政府が約束を反故にしたため、検問所が封鎖されてしまった」と嘆いた。

パキスタンとアフガンの国境沿いでは銃撃戦やテロ攻撃が相次いでいる。

パキスタン南西部のアフガン国境も様々な理由で封鎖されているが、この地域で活動するイスラム過激派は国境を自由に往来している。

パキスタン軍はアフガン国境近くでイスラム過激派を定期的に取り締まっている。国境付近で発生したテロ攻撃の多くに「パキスタンのタリバン運動(TTP)」や南西部バルチスタン州の分離独立を目指す過激派「バルチスタン解放軍(BLA)」がかかわっている。

パキスタン政府はアフガンの山岳地に潜伏するTTPを取り締まるようタリバン政府に要請している。

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